5月も半ばに入り、新入生の学生さんは部活に慣れてきた頃でしょうか。
楽器も決まり新しいことにわくわくすると同時に、楽器との接し方にはまだ不安な部分もあるかと思います。
お手入れセットを手に入れたものの、オイルの種類が多くてどこにさすか分からない…ということもありますよね。
そこで今回は、ホルンのロータリーのお手入れ方法についてお話していこうと思います。
オイルを注す目的と種類
最初に、オイルを注す目的についてです。
「動きを良くするため」で間違いはないのですが、実はそれ以外にも目的があります。
1.動きを良くする
2.サビを防ぐ
3.摩耗を減らして楽器の寿命を延ばす
この3つの目的があります。
オイルには潤滑剤としての役割だけではなく防錆効果もあるので、楽器を長く使っていくにはお手入れが欠かせないのです。
では、ホルンに使うオイルの説明をしていきます。
ホルンにはロータリー部分の動きをスムーズにするために使うオイルがあります。
粘度の違う3種類のオイル①ローターオイル、②ロータースピンドルオイル、③レバーオイルをそれぞれ部位ごとに使い分けていきます。
ちなみに粘度の高さは①<②<③という具合になっています。
オイルを注す部分と頻度
次にそれぞれのオイルを注す部分と注し方、注す頻度ついての説明です。
①ローターオイル
・注す部分
丸いキャップが付いているところの中身がローターになっており、そこにオイルを注していきます。
ロータリー楽器はピストン楽器のトランペットのように分解してオイルを注すことができないので、抜差管を抜いてその穴から注していきます。
・注し方
まずローターオイルに針のようなノズルをつけます。次に抜差管を抜きます。
管の入口が真上を向くようにして楽器を持ち、ノズルの先端が管の内側やローターに当たらないように差し込んで、2、3滴注します。
ここで注意してほしいのがオイルを注す量です。
多すぎると、抜差管を組んでから管に塗られているグリスがオイルで溶けてしまい、抜差管もスコスコになってしまう上にローター内部に溶けたグリスが流れ込んでしまう危険があり動作不良の原因にもなりかねません。
なので数滴で留めるよう注意してください。
オイルが注せたら何回かレバーを動かして馴染ませます。
また、巻きがシンプルでロータリーが一直線上に位置しているガイヤータイプの楽器はF/B♭切り替えレバー(4番)のロータリーに抜差管が付いていないので、第3ロータリーのところにオイルを注した後に演奏時の構えでレバーを動かして馴染ませます。
・頻度
演奏前に毎回や、週に1回など諸説あるのですが、ホルン吹きの筆者は個人的には週に1回程度でいいと思っています(ヤマハの推奨は演奏前に毎回です)。
理由としては、先ほど述べたように、注し過ぎたら抜差管のグリスが溶けてきてしまうからです。毎日吹くような方なら毎回でも良いと思うのですが、やはり数滴に留めた注し方が大切になってくると思います。
動かした時にカサカサした音がしたり、動きに違和感があればもうかなりオイルが切れている状態なので、それより前には注した方が楽器に優しいですね。
②ロータースピンドルオイル
・注す部分
丸いキャップを開けて、真ん中の丸い所の軸と、ロータリーの裏の回転軸と受け軸の隙間部分に注していきます。
また、紐式ではなくボールジョイント式の楽器にはボールジョイント部分にも注していきます。
・注し方
上述の箇所に1、2滴注します。
オイルが注せたら何回かレバーを動かして馴染ませます。
はみ出したオイルはガーゼなどで拭き取りましょう。
・頻度
週に1回注してください。
特にロータリーの裏の回転軸と受け軸の隙間部分はオイル切れを起こしてカチャカチャなりやすいので、忘れずに行っていきましょう。
③レバーオイル
・注す部分
レバーの軸の隙間に注します。銀色のぐるぐるの端っこです。
・注し方
上述の箇所に1、2滴注します。
オイルが注せたら何回かレバーを動かして馴染ませます。
はみ出したオイルはガーゼなどで拭き取りましょう。
・頻度
月に1回注してください。
粘度が高いのでそこまで早く揮発することはありませんが、忘れた頃にオイル切れになるので注意してください!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
オイルの種類の多いホルンですが、正しく使い分けてロータリーの動きをスムーズにし、楽器を長持ちさせましょう!
当店では、
・フルート/ピッコロ
・オーボエ
・クラリネット
・サックス
・トランペット/コルネット
・ホルン
・ユーフォニアム
・トロンボーン
・マウスピース/リガチャー
といった管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
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