フレットの凹みをすり合わせで解消 

こちらは先日買い取られていただいた「Fender CLASSIC PLAYER JAZZMASTER」。

ぱっと見はスタンダードなジャズマスタースタイルながら、P-90ライクなピックアップにAdjusto-Maticブリッジを搭載したモダンスペックな1本です。

フレットを見てみるとかなり削れている状態で、特にローフレット側が顕著で写真では分かりづらいですが深い凹みが出来てしまっています。
このような状態だと弦が引っかかってしまい弾きづらかったり、ピッチが悪くなったり、ビビリの原因にもなってしまいます。

指板修正込みでフレットを打ち替えるとベストに近いコンディションになるかもしれませんが、その分予算が高くなってしまいます。
この個体にはもともと背の高いフレットがうたれていましたので、今回はフレットのすり合わせで対応していきたいと思います。

準備

まず指板面をマスキングテープを貼り保護します。
デタッチャブルのものは作業がし易いのでネックを外し、セットネックやスルーネックの場合はボディが傷つかないようにこちらもテープなどで保護します。

ネックやフレットの状態を確認しまっすぐに近くなるようにトラスロッドで調整しますが、ネックがねじれている場合や材が柔らかく弦を張った状態で元起きしているような場合はそこも踏まえて調整していきます。

いざ、すり合わせ

ストレートのでているサンディングブロックでフレットを削っていきます。
サンディングブロックは長めのものを使うとストレートが崩れにくいのでオススメ、番手は320くらいがいいでしょうか。

こちらが削ったところ、フレットが平らな状態です。
今回は凹みがなくすことが目的のためかなり削りました。

平らになったフレットに頂点を作るため角を落としていきます。
画像はフレットファイルという専用の工具。

フレットファイルで角を落とし、さらにサンドペーパーで全体に丸みを出します。

この段階で荒い傷を消さないと、丸く仕上がっても弾き心地が悪くなってしまします。
~2000番くらいまで段階的に番手を細かくしていき傷を消していきます。

2000番のサンドペーパーまで磨き、その後金属磨きで仕上げ。
金属磨きなどが残らないようにしっかりと清掃します。

あとは、ネックを調整し弦を張ってチェックして完了です。

フレットの背はだいぶ低くなってしまいましたが、凹みがなくなりチョーキングしても引っかかりません。
凹みの解消はもちろんですが、その他の箇所も磨がかれ滑らかになっていますので全体的にスムーズな弾き心地になりました。
やっぱりピカピカのフレットは気持ちがいいですね。

ベース、ドラム、アクセサリ担当:前田

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