※ネック調整、弦高調整が完了している前提でのお話です。
※最後に注意点もございますので、読了してから自己責任でお試しください。
ハムバッカーの高さ調節はピックアップ両サイドのビスを回して簡単におこなうことが出来ますが、アジャスタブル・ポールピースまで調節される方は少ないのかもしれません。
当店で買取が決まったギターもおそらく製品出荷時から変わっていないであろう高さのままのポールピースの個体が大半です。
アジャスタブル・ポールピースとは
ハムバッカーをよく見てみるとネジ切りされたビスのような箇所が確認できます。
これはアジャスタブル・ポールピースといって、各弦の出力バランスの調整の機能として認識されているのが一般的です。
指板R(指板の曲面、3,4弦の通る真ん中が山の頂点になるような指板表面のアーチ)というものがあるので、弦高は3,4弦を頂点として山になっています。
それに対して、ハムバッカーの表面は平らなのでポールピースを締め込んで凹ませたり、緩める方向に調節してポールピースと弦を近づけたり、出力バランスの調整が可能な構造になっています。
Gibsonが公表した裏技?
Gibson公式サイトの2018.12.01の製品記事”ピックアップの豆知識10箇条”のなかで
アジャスタブル・ポールピースは音色の調整のために活用できると解説されていました。
ポールピースを下げることで、ピックアップ本体を弦に近づける方法と、その逆のポールピースを高くして、ピックアップ本体を遠ざける方法です。
手順
ブリッジ側のピックアップを若干ウォームに響かせるには、ブリッジ側のアジャスタブルポールピースをコイルの内側深くまで下げて、ピックアップ全体を弦に接近するようせり上げます。
その結果、ブリッジ側から離れているほうのコイル(こちらは固定されたスラグ・ポールピース)はもともとの状態よりも比較的に弦に近い位置関係になります。それゆえ、二つのコイルの出音がブレンドされるとき、元の状態よりは比較的によりラウドな響きになります。
ネック側のピックアップを幾分クリアにして鋭さを増したい場合も、同様の作業でおこなえます。
もしくは、上記と逆の効果を狙う場合は、アジャスタブルポールピースを上げてピックアップ自体をボディの内側深くまで落としこむことで可能です。
セッティングの変更パターンをいろいろと試すことで2個のハムバッカーから様々なパターンの結果が得られます。
ゲイリー・ムーアは各ポジションのピックアップをポールピースの位置が反対にくるようにエスカッションにマウントして音に変化を与えていましたが、音色に変化を与える方法がそれ以外にもまだあったようです。
注意点
PRSなどはピックアップの高さ調節のビスが短く、ボディトップから弦までの距離もレスポールなどに比べて狭くなっていて、ピックアップの高さ調節自体がユーザーの自由度がそこまで高くないつくりになっているのでおすすめできません。最悪、ピックアップ高さ調節ビスからピックアップが滑落する自体となりますのでリペアショップなどにご相談ください。
ポッティングされているタイプのピックアップに関して。
アジャスタブル・ポールピースをマイナスドライバーで調節する際に、ワックスがポールピースまわりにも付着していてモロモロと出てくるので、ピックアップを購入したときの状態から”出来るだけなにも変えたくない”という方は触らないほうが良い部分となります。
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