先月は名前に「ホルン」が付く楽器を5つご紹介させていただきました。
今回はその中でも「バリトンホルン」「テナーホルン」などの、サクソルン属の楽器について、ご紹介していきます!
サクソルン属とは
そもそもサクソルン(saxhorn)属とは、サクソフォンを発明したアドルフ・サックス氏によって1840年代前半に発明された金管楽器を含む楽器群の総称です。
サックス氏は、ビューグルを元に、様々な音域の金管楽器を考案しました。
当初は7種類が製作され、音色の統一を目的として、緩やかな円錐形の管でできていました。
現在、このサクソルン属に分類される楽器すべてが彼が考案した…というわけではありません。
例をあげると、Ebコルネット、Bbコルネット、フリューゲルホルン(Bb管)、アルトホルン(Eb)、バリトンホルン(Bb)、ユーフォニアム(Bb)、バス(Eb)(Bb)がサクソルン属に含まれます。
国ごとの違い
サクソルン属の楽器は時代や地方によってさまざまな名称で呼ばれていました。
ここでは特に混乱するアルト/テナー/バリトン/ユーフォニアムについて書いていきます。
- ユーフォニアム
1840年頃にドイツのゾマー氏によって発明された金管楽器です。
一般的にBb管で、大きく開いた円錐管と4本のピストンバルブから成ります。
温かく、柔らかい響きです。
基本的に多くの国で同じ名前で呼ばれていますが、アメリカでは、ベルがまっすぐ上に向いて広がっている一般的なユーフォニアムと区別するために、米国ではベルとピストンが前を向いているユーフォニアムをバリトンと呼ぶそうです。
- バリトンホルン
1840年ころにサックス氏によって考案されたBb管の金管楽器です。
ユーフォニアムとほぼ同じ音域ですが、ユーフォニアムに比べて管が細く、円筒部分が多いところが両者の違いです。
ユーフォニアムに比べるとやや明るくはっきりした芯のある音色です。
ドイツやアメリカではこの楽器をテナーホルンと呼ぶこともあるようです。
- アルトホルン
1840年ころにサックス氏によって考案されたEb管の金管楽器です。
上のバリトンホルンを一回り小さくしたような形状です。
明るく優しい音色で、コルネットとトロンボーンの間のような音色と言われることもあります。
イギリスでは、これをテナーホルンと呼びます。
- テナーホルン
上述の通り、日本でいうアルトホルンとイギリスではテナーホルンと呼びます。
また、アメリカやドイツでは、バリトンを表す場合もあります。
一方、ドイツではまったく形の違う楽器のことをテナーホルンと呼ぶ場合があり、日本であえてテナーホルンという場合は、このドイツの楽器を指す場合もあります。
図に示すとこのようになります。
文章にするとややこしく交錯しているように思えますが、「テナー」さえ除けば案外簡単かもしれません。
おわりに
なぜこのようにややこしくなってしまったのでしょう。
サクソルン属はアルト、ソプラノなど音域で呼ばれていたため、基準が一つ違っているとずれてしまったのかもしれません。
現在のように世界中へ情報をすぐに発信できなかったことも原因かと思いますが、アルトとテナーはサックス自身区別せずに使っていた背景があるようです。
発表から180年以上経った今も統一されないのは興味深いですね。
当店では、
- フルート/ピッコロ
- クラリネット
- オーボエ
- サックス
- トランペット/コルネット
- ホルン
- ユーフォニアム
- トロンボーン
- マウスピース/リガチャー
といった管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
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