「フルート=リコーダー」? 意外と知らない楽器の語源 

フルートというと銀色の、音色も見た目もきらきらと美しい横笛。皆さんご存知のことと思います。

フルートの歴史は長く、祖先は旧石器時代マンモスの牙を使ってできた笛にまで遡ります。

長い期間を経て進化してきた「フルート」
元々フルートという言葉は現在のリコーダーを指していたのをご存知ですか?

フルートの語源

フルートは息や息吹を意味するFlatus(フラトゥス)というラテン語由来の言葉で、元々は笛全般を指していました。

日本でよく知られている英語のFlute(フルート)の他に、フランス語では「flûte(フリュート), flûte traversière(:横向きのフルート)」、ドイツ語は「Flöte(フレーテ), Querflöte(:横向きのフルート)」イタリア語では「flauto(フラウト), flauto traverso(横向きのフルート)」と呼ばれており、すべてラテン語由来です。

「横向きの~」とわざわざ付けられているのはなぜなのでしょう?
バロック期以前は、西洋音楽においては現在の横笛よりも縦笛(リコーダー)の方が主流であり、当時は単に「フルート」というと縦笛を指していました。

17世紀後半、オトテール一族によって開発、製作された横笛のバロックフルートは
形状・キイなどこれまでのものとは大きく異なり、フランス宮廷でその優れた表現力から人気を博しました。
その人気は、ドイツ、フランスへと広まり、次第にフルートといえば横笛を指すようになっていきました。

それでは、リコーダーという言葉はどのように生まれたのでしょう?

リコーダーの語源

リコーダーも長い歴史をもつ楽器ですが、12世紀頃のヨーロッパではリコーダーのような縦笛で小鳥にさえずりを教えていたこともあったようです。

Recorder(リコーダー・英)という名称は、古英語の to record(:小鳥のように歌う)が語源(元を辿るとラテン語のようですが…)とも言われていますが、はっきりとした由来はわかっていません。

現在でもフルートと区別するために国ごとに色々な名前で呼ばれています。
例えば、イタリアでは「Flauto dolce(フラウト・ドルチェ:柔らかいフルート」、ドイツでは「Blockflöte(ブロック・フレーテ:ブロック付きのフルート)」、フランスでは「Flûte à bec(フリュート・ア・ベック:くちばし付きのフルート)」のように、音色や形状の違いを説明した名前になっているようです。

おわりに

今回この記事を書いていて、語源だけでも2つの楽器のちょっとおもしろい関係性が見え、改めて音色の違いを聴き比べてみようと思いました!

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