到着した日のうちに状態の確認をして店頭に並べると、早速お問い合わせが多かったです。
来店いただいた方の審美眼と個体の持つ魔力を感じた一日でした。
掲載させていただいた写真のレスポールなんですが、どんなレスポールかおわかりになられますでしょうか?
Gibson Custom Shop Eric Clapton 1960 Les Paul Beano VOS
Gibson Custom Shop Eric Clapton 1960 Les Paul Beano VOS
クラプトンモデルのレスポールです。
1966年にジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズが発表したアルバム「John Mayall and the Bluesbreakers with Eric Clapton」のレコーディングでクラプトンが使用したレス・ポールの再現モデルです。
ラインナップは3種類
・VOS(Vintage Original Spec)世界限定350本
・Aged(トム・マーフィーによるエイジド加工)世界限定95本
・エイジド加工に加えクラプトンの直筆サインが入れられたAged/Signed 世界限定55本
今回入荷したのはVOS(Vintage Original Spec)世界限定350本のモデルです。
本人の個体はピックアップカバーが外されてオープンになっていますが、当モデルはカバードで、アルニコ3のカスタムバッカーになっています。当時のことを思い出しながら作られたピックアップであるため「リイシューものに搭載されている割にはちょいパワー強め」な感じがします。
ペグがグローバー製に交換されていた部分も再現してあり、ヘッド裏にはクルーソンペグが装着されていた痕があります。
細身のネックに交換で載せられたグローバーペグの生み出すバランスがサウンド面でのキャラクターのフックになっています。
Beanoと呼ばれている理由は、「John Mayall and the Bluesbreakers with Eric Clapton」のジャケットでクラプトンが手に持っているコミック雑誌のBeanoが由来です。
(ちなみにこのBeanoは1966年5月7日発行のもの)
「John Mayall and the Bluesbreakers with Eric Clapton」を指してビーノ・アルバムと呼ばれることもあります。
“Beano”が特別視される理由
“Beano”が特別視されるのは「John Mayall and the Bluesbreakers with Eric Clapton」に収録されたギターサウンドが理由です。
収録されているフレディキングの名曲「Hideaway」のカバーをお聞きいただければ納得いただけるかと思います。
リアルタイムでこのアルバムを体感していない世代からしてみると、なにも変わったギターサウンドではないように聴こえるかもしれませんが、正しくは「この瞬間に収録されたギターサウンドこそがその後のギタリストのひとつの指標となった。」と言えます。
Gibson Les PaulにMarshallアンプの組み合わせ、王道サウンドが世の中に広く示されたのがビーノ・アルバムでした。
海外のサイトを確認していると「イギリスのチャートで6位、すぐに消え去りその評判は後年に高まった。」「Beano ギターを持っていた期間中、彼は限定的で比較的ローカルな名声」等と表記されているのを見かけますが、当時、生産終了になっていたギブソン・レスポールの人気を再燃させ、1968年にレスポールが生産再開されるに至ったことを考えると当時のギタリストに衝撃を与えたのは疑いようのない事実のようです。
その”Beano Les Paul”はレコーディング後に盗難に遭い、二度と出てくることがなく、シリアルナンバーなどもはっきりしていないためさらに神秘性を増し、伝説となりました。
クラプトンがBeano Les Paulを持っている時の写真は20枚ほどのファンスナップを残すのみとも言われています。
もし、仮に出てきたとしても確実に同じ個体と証明することが難しい状況にあるということです。
—-おわりに
興味を持たれた方がいらっしゃいましたら”beano les paul found”で検索をかけていただくとGuitar Worldのページが出てくるので面白いと思います。
Gibson Custom Shop Eric Clapton 1960 Les Paul Beano VOS 在庫がある内は近くでご確認いただけますのでぜひご来店ください。
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