ドラマーが耳栓を使うメリットとデメリット 

スタジオでの練習の後などで耳が聴こえづらくなった経験ありませんか?

この聴こえづらい状態は、長時間大音量にさらされることで聴力をつかさどる細胞が損傷することで引き起こされます。

特にドラムは音域が広く、音量は130dBにもにも達し、これはジェット機のエンジン音や落雷に匹敵します。
こんな大きな音に演奏の度さらされているドラマーの耳には、知らず知らずにもかなりの負担がかかってしまっています。

症状はしばらくすると治まることがほとんどですが、実はダメージは蓄積されていて繰り返し同じような大音量にさらされていくと聴力は低下していき、基本的には回復しないとされています。
このためプロ・アマ問わず難聴の症状に悩まされてる人、本人は意識していないだけで軽度難聴の人も少なくありません。

ドラムの難聴の対策

  1. 演奏の音量を小さくする
  2. 耳に入る音を小さくする

演奏時の対策としては主に上記の2つ。

1つ目の「演奏の音量を小さくする」は、音量音質をコントロールしてドラム自体の音量や耳に痛くないトーンで演奏する方法です。
ただこの方法は、ある程度の技量が必要なのと、メンバーとの音量バランス、ジャンルによっては音量を下げられない場合もあります。

2つ目の「耳に入る音を小さくする」が今回の本題、耳栓やイヤーマフを装着することで、耳に入る音を物理的に小さくする方法です。
ジャンルなどの制限が少なく、おすすめの方法ですので今回は耳栓のメリット/デメリットをご紹介したいと思います。

耳栓(イヤープラグ)とは

耳栓と一言で言っても様々で、100均に置いてあるようなシンプルなものから、音楽用として販売される「音質を損なわず」音量を下げることができるものまであります。
ここでは音楽用の耳栓に注目したいと思います。

メリット1「耳に優しい」

これこそ本来の目的で最大のメリット。
音楽用の耳栓はだいたい「-20dB~-30dB」で設計されているものが多く、単純計算ですが装着すれば130dBを100~110dBまで下げることができます。

100dBでも高架下の電車が通る音程度の音量ですので、たった20dBと思われるかもしれませんが体感はかなり小さく聴こえ、耳へのストレスは何分の1にも低くなります。
これだけでも難聴へのリスクを下げ、長く音楽が楽しめるでしょう。

メリット2「音が聴き取りやすくなる」

自身のドラムにしても倍音やサスティーンがあり、周りの楽器に関してはスピーカーの向きなど位置関係や音量、部屋の鳴り方で聴こえ方が大きく変わります。
音が飽和してしまっている場合などは、誰が何をやっているか分からないこともしばしばですが、耳栓をすることで余分な音が聴こえなくなり、アタックの位置やピッチをしっかりと聴き取れるようになります。

単純に合わせやすくなるのもありますが、モニターに余裕が生まれるとその分プレイに集中できますので演奏のクオリティが向上することがあります。

メリット3「脱力できる」

これは個人的な経験ですが、耳栓をすることで本来の音色は若干ですが損なわれます。
その分テンションが上がりすぎたり、理想の音色でプレイしようという力みがなくなり自然と脱力できた印象です。
後で録音を聴いてみると、耳栓をして楽に叩いたテイクの方が太鼓がふくよかに鳴って音圧が出ていました。

デメリット1「聴こえ方が本来の音色ではなくなる」

先程も書きましたが、音楽用の耳栓と言えどしていないときとの聴こえ方の差は発生してしまいます。
特に極小さな音は聴こえにくくなりますので、細かなニュアンスを感じ取れず大雑把な演奏になってしまうことも。
これは、繊細さを要するジャズなどのジャンルでは不向きと言えるでしょう。

もちろんロンクやポップスなどでも、リハーサルなどでしっかりと楽器の音色や周りとのバランスを確認して、それをイメージする必要があります。

デメリット2「紛失注意」

付けているかどうかでモニターの状態がかなり変わってくるので、人によっては無いと不安になってしまうかもしれません。

耳栓自体は小さく紛失しやすいので注意が必要です。
ほとんどの商品にはケースが付属しますので、使い終わったらしっかり片付けましょう。

また紛失や忘れた時のために、予備を準備しておくと安心ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はドラム演奏時の耳栓のメリット/デメリットをご紹介いたしました。

音楽用の耳栓は金額が¥2,000~¥6,000程度と試すには安くはありませんが、聴力を守るということに関しては効果は絶大ですし、人にはよりますが副産物的なメリットも期待できますのでまだ使ったことがない人は試してみる価値ありではないでしょうか。

ベース、ドラム、アクセサリ担当:前田

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