【クラリネットの世界】Buffet Crampon R13 Prestigeをご存知ですか? 

先日、『Buffet Crampon R13 Prestige B♭』という楽器をお売りいただきました!

クラリネットの代表メーカーBuffet Cramponは管楽器またはクラリネットをしている方ならこの名を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
1825年に創業者ドゥニ・ビュッフェ・オジェー氏、ルイ=オーギュスト・ビュッフェ氏の工房で誕生したのが始まりでした。今では197年の歴史を誇り、世界中にファンを持つクラリネットメーカーでございます。

R13系統とRC系統って?

Buffet Cramponには代表的な2種類のモデルがございます。

1つ目は、1950年に誕生し最も古い歴史を誇る ”R13” です。
R13は、アメリカのオーケストラメンバーが工場に訪れた際に、当時のアメリカの状況と奏者が求める需要を伝えたことがきっかけ「広いホールで」「大きな編成のオーケストラで」「ホールの隅々にまで明るい音を飛ばせる楽器」という今のR13の原点となりました。

2つ目は、1975年に開発され、R13に次いで歴史ある名器  ”RC”  です。
その名の由来は、設計者であるロベール・カレ(Robert Carree)の頭文字からとられたものだそうです。当時のヨーロッパのオーケストラは編成も小さく、演奏するホールも小さめという環境で、クラリネットセクションは暗めの柔らかい音色で響かせるような奏法が主流でした。そこで  ”RC”  はまろやかで深みのある音色や完璧なバランスで奏者の需要に応えた楽器となりました。

この2種類のモデルを元にそれ以降、R13の内径や特徴をもつ機種をR13系統、RCの内径や特徴をもつ機種をRC系統と分けられております。


※GL…グリーンライン

R13 Prestigeって存在したの?!

今回はタイトルの通りR13 Prestigeについて少しご紹介したいと思います。

Prestigeというと、RC系統の上級モデルと認知されている方が多いのではないでしょうか。そうなんです!それに間違いないのですが実は日本では発売されていませんが、R13 Prestigeという機種は存在していたのです。(輸入販売で取り扱いのあるお店はあるかと存じます。)

1990年後半頃にはR13が特に好まれ、R13の音色を求める人が多く古いR13の中古品が高値で取引きされていたそうです。この需要の背景からR13 PrestigeやR13 Vintageが開発されたのではないかという説がございます。

仕様としましては、上管にはPrestigeのプレートが埋め込まれております。
内径は「ポリシリンドリカル」という形状です。20世紀前半まではシンプルな「シリンドリカル」(円筒型)な形状でしたが1955年に、より複雑な「ポリシリンドリカル」という形状を採用したことにより音質や音程が飛躍的に改良され“R13”は現代のクラリネットの原型となったそうです。
ベルは独自の形状を持つと言われ、均一な音色を実現したPrestigeのベルでございます。

Prestigeベルと本来のR13のベルのボアサイズを比較してみました。Prestigeベルがボアサイズがやや小さめだということがわかりました。

細かな仕様に関しましては、公式Buffet Cramponのサイトに記載がございます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回の掲載で少しでも『Buffet Crampon R13 Prestige 』という楽器を知っていただけると幸いです。

日本では発売はされていないモデルではございますが、中古楽器専門店ではこのようなお品をお売りいただける機会があり、なかなか出会うことの少ないブランドのものやモデルも取り扱っております!

最後まで見ていただきありがとうございました。
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