Gibson ES-345 1969年製
発売当時のステレオ仕様が残ったままの、希少なGibson ES-345 1969年製を買取させていただきました。
Gibson ES-345は発売当初、デフォルトの設計がステレオ仕様になっています。
しかし現代では、ステレオでギターを鳴らすことが少ないため、ビンテージのES-345でも、モノラルに改造されていることがあります。
そんな中、こちらはステレオ設計を維持したままの珍しい一本です。
(ちなみにこちらは現行のES-345の仕様ーGibson Japanのリンク)
Gibson ES-345の変遷と特長
年 | 内容 |
1959/春 | ES-345T発売、ステレオ出力、バリトンスイッチ、ストップテールピース、ビブラート(オプション)、PAFハムバッカー搭載 |
1959/末 | バリトンスイッチプレートがブラックからゴールドに変更される |
1960 | サンバースト、チェリーフィニッシュ、ナチュラルフィニッシュは生産終了 |
1961 | ピックガードが短くなる(ブリッジより下には出ない) |
1963 | カッタウェイホーンが丸みを帯びなくなる |
1965 | トラペーズテイルピース(ダイヤモンドモチーフ)、Tトップハムバッカー、ナット幅縮小 |
1967 | ボンネットノブが黒いウィッチハットノブに変更、スパークリングバーガンディフィニッシュを採用 |
1968 | ウォルナットフィニッシュを採用(ES-345TDW) |
1970 | ES-345TDSVに改称 |
1982 | 生産終了 |
1959年から1982年まで製造されたモデルで、ES-325、335に次いで、ES-3□5シリーズの3本目として発売(ES=Electric Spanish)。
1968年からウォルナット仕様が追加されたので、こちらのモデルはES-345TDW(TDW=Thinline,Dual Pickups,Walnut)と言われることもあります。
特長は何と言っても、ステレオ出力とバリトーンスイッチ。
ステレオ出力
ES-345のステレオ設計は一見使いにくそうです。
当時の使い方としては、ステレオYケーブルを使用してそれぞれのチャンネルに別々のエフェクトをかけて演奏する。という使われ方をされていたそうです。演奏者の発送次第で、サウンドは無限に広がります。
他のギターでは真似できないサウンドになるでしょう。
なぜステレオ設計にしたのか?
一説によると、1958年にステレオ・レコードプレーヤーが登場し、そのステレオ・サウンドが話題になりました。
そしてグレッチがすかさず58年にプロジェクト・オー・ソニックでステレオ仕様のギターを発表。ギブソンもそこに追随した、という話があります。
ステレオ出力のギターの発売に伴い、GibsonはGA-79、GA-88Sというステレオアンプも発売しており、これらのアンプと共に使うことが念頭にあったとみられています。
バリトーンスイッチ
続いてバリトーンスイッチ。
こちらも、改造されやすい部分で、スイッチがただのダミーになってしまっている個体も多く出回っています。
バリトーンスイッチは、プリセットされた6種類のトーンを選択できるスイッチ。
1~6まで徐々に高域が目立つサウンドに変化していきます。
バリトーンスイッチが効果を与える周波数は以下のとおりです。
ポジション1:バイパス(効果なし)
ポジション2: 1875 Hzの周波数が減衰
ポジション3: 1090 Hzが周波数が減衰
ポジション4: 650 Hzが周波数が減衰
ポジション5: 350 Hzが周波数が減衰
ポジション6: 130 Hzが周波数が減衰
当時はエフェクトペダルもなく、サウンドメイクはもっぱら、アンプに任されていました。
そんな中、ギター本体で積極的にサウンドを変化させる設計は先進的なもので、ギブソンの開発力を見せた設計でもあります。
時代背景と共に楽器の設計を見ていくと、現代ではクセのある個性だったとしても、当時のギブソン社のブランドとしての努力や工夫が見られ、新たな魅力になります。
実際にサウンドを知りたい、弾いてみたいという方は是非お気軽に当店へお問い合わせください。
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≫ Gibson ES-345 Walnut 1969年製 【返品OK】[MI792]
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