ベストな弦高を求めて 

エレキギターのウェブ販売でよくご質問をいただく内容の一つに弦高というものがございます。
以前にピックアップの高さ調整について記事を書いたことがございましたが、弦高調整も演奏性とサウンドに深く影響する要素です。
調整によってはその個体が別物に感じられるくらいの影響があります。

今回の記事の結論は「弦高だけでギターの良し悪しは断言できない。」というものですが、弦高は現物が手元にない場合にプレイコンディションを判断する数値の一つといえます。
ビビらないように調整された弦高が異様に高ければ状態を推し量ることができたりもします。

12f地点で計測した高さが一般的で、モデルにもよりますが、6弦側2.0mm、1弦側1.5mmが目安、箱モノだとそれよりも少し高い印象です。

ブランドによっては工場出荷時の弦高のセッティングについて記載があるブランドもあり、1弦 2/32インチ(1.588mm)、6弦 2.5/32インチ(1.984mm)と、概ね2.0mm-1.5mmあたりに設定されています。

弦高○○mmで設定できますか?

お客様にとってのお好みのセットアップの弦高の数値があり、指定の数値でセッティングできるかお問い合わせいただくケースがあります。

これに関してはギターの仕様とご指定いただいた弦高の数値によっては、演奏性を良くしようと弦高にこだわっているのに、逆にサウンドや演奏性が犠牲になるケースがあります。
(弦高低めで設定でき、サウンド面でもそれがベストなのがセールスポイントの商品もありますので本当に商品によりけりです。)

低め設定には、シンプルに弾きやすい利点や押弦でピッチがシャープしづらい利点があり大変魅力的ですが、下げる数値によってはサウンドに影響が出たり、ギターのタイプを選ぶ設定とも言えます。
軽め浅めのピッキングでなければビビりやすかったり、サスティーンに影響が出るケースや、木部の鳴りよりも弦鳴りに傾向が寄ります。
(弦高低め設定でサウンドもベストになる仕様の組み合わせのギターも存在します。)

弦高高めだと弦の振幅に余裕をもたせることができるので、強めにピッキングしてもビビりづらかったり、ギタリストが俗に言う「生鳴りが良い」と形容される音の傾向に持っていきやすかったりします。
押弦でのピッチを気をつけないといけなかったり、フルピッキングの速弾きやスウィープ、タッピングはしづらかったりもします。
これは完全に主観ですが、フルピッキングの速弾きでいえば弦高は標準から高めのほうが迫力のあるサウンドになります。(弦の振幅に余裕があるのでピッキングの振り幅が広めでもビビらずはっきり発音してくれる)

どちらも一長一短でプレイスタイルやジャンルに合わせてギターを選んでセッティングする必要があります。

指板R


弦高調整の際に気にしないといけない要素の一つに指板Rがあります。
指板には曲面のカーブの数値がございます。
7.25R、9.5R、10R、12R、14R、16Rなど
数値が上がるほど曲面が緩やかになります。
7.25Rでは弦高を低めにすると、ベンド(チョーキング)する際にハイポジションで音づまりを起こしやすいので調整を気をつける必要があります。
チョーキングを犠牲にしても良いギタリストはきっと少ないのでこの場合は大体が1弦側の弦高は高めで調整します。

7.25Rはローポジション側のコードの押弦の弾き心地やその音の明瞭さに魅力があるので弦高少し高めか標準が楽しく演奏できたりします。
フェンダー系のテレキャスターやストラトキャスターの各年式を再現したトラッドなモデルの弾き心地やサウンドはローアクションでは魅力を完璧に引き出せない場合が往々にしてあります。

最近のモデルは少し緩くて9.5Rだったりするのでこれはなるべく低くもできるのですが、ベストな位置を探りつつ調整します。

ローポジションとハイポジションで違う指板Rを採用したコンパウンドラジアスという良いとこ取りしたような仕様もあり、そちらは弦高低めのセッティングに持っていきやすかったりします。
指板Rゆるめのギターは弦高低めセッティングを想定した仕様で固められたギターが多い気がします。

ネック仕込み角

ギブソンのカスタムショップ製のリイシューものはネックの仕込み角も魅力やチェックポイントだったりします。
ブランド様々、レスポールタイプ数種、様々なモデルを揃えたとして、12fを同じ弦高に全て調整するとピックアップエスカッションと弦の距離が違うものがきっとあります。違うもの同士を比べるとネックの仕込み角が違うはずです。

この仕込み角が違うというのは弦高調整にも影響してきます。
12fの弦高が同じでも、ボディトップとブリッジの距離が変わるのでテールピースの調整の具合が変わってきたり、弦のテンション感、音の立ち上がりや木部の鳴りも変わってきます。

弦高を低くするとボディトップとブリッジの距離が近くなり、テールピースからブリッジまで来た弦の角度も緩やかになる。
ネックの仕込み角が違うと、同じレスポールタイプタイプでもここの調整が別物になります。

狙う音質がタイトかふくよかかによっても調整は変わりますが、弦高低めよりも標準か高めのサウンドのほうが好きなギタリストは多いのかもしれません。

この前入荷した1959リイシューのレスポールはまさしくこの傾向でした。

まだまだ弦高に関わる仕様や要素はあります。

ピックアップがエスカッションマウントかダイレクトマウントか
(ダイレクトマウントの場合ピックアップと弦の距離の調整に弦高が関わる。マウントスクリューの締め具合や底面に置くスポンジなどにも影響します。)

ブリッジのタイプ


搭載されているピックアップの種類も影響します。
やはりアクティブタイプは磁力自体は弱いものが多く弦との距離を近くしやすく、弦高を結構低く設定してもサウンド面がベストに来ているモデルも見受けられます。

PRSのEMG搭載(純正仕様)のプライベートストックの商品が過去にありました。
弦高を調整し終わった時、エスカッションとピックアップ上面をぴったりに合わせていたものが狙っていた弦との距離ジャストの位置に来ていた時には一般ユーザーが感じる造形の美しさとは違う面で美しさを感じたことがあります。

他にも演奏性や弦高に影響する要素はモデルや仕様ごとに様々ありますが、またの機会に譲りたいと思います。

店頭ではお客様がお持ちのギター/ベースのセットアップも承っております。
自分が持っているギターのベストなセッティング、お悩みの方はぜひご相談ください。
買取で様々なタイプや仕様のギター/ベースを盛り沢山調整しているスタッフが対応いたします。

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