皆さんはフェンダーのページはチェックされましたか?
ELECTRONICSのSwitchingの箇所にはBridge and Neck Pickups (Out of Phase)と表記されており、さらりとミックスポジションがフェイズアウトサウンドになっているのには思わず声が出ました。
それはさておき、今回Fender.comを訪れて目に入ったのは”色”です。
近年(この記事の執筆は2021年)のFenderのサイトを見ていると、”カラーバリエーションのアピール”が見て取れます。
スクワイヤのパラノーマルシリーズの写真はブルーのスパークルの目を引く塗装であったり、ACOUSTASONIC JAZZMASTERは5色ラインナップされているのが一目でわかる写真を掲載していたり、カポタストまでキュートなカラーリングの商品が出ています。
他のブランドのサイトは黒背景が多いのに対してFenderは白背景にしてあり、他社の高級感を押し出したブランディングとは方向性の違いを感じさせられます。
親しみやすさを個人的に感じたのと同時に、化粧品売り場や洋服の通販を連想しました。
デザインから紐解くブランドの方向性
それもそのはず、Fenderで2015年から手腕を振るうCEOのアンディ・ムーニー氏はナイキやディズニー、クイックシルバーなど大手アパレル、ライフスタイル、エンターテイメント企業で実績を積んできた人物。
Rolling Stone紙のインタビューではFenderが詳細な「データ収集」をおこなったことが語られており、調査の結果をガイドラインにビジネスを展開していると断言しています。
その調査結果というのは
・「ギターユーザーの50パーセントが女性である」
実際にこの女性たちは、アコースティックギターを買う傾向にあり、しかも楽器屋で購入するのではなくオンラインで手に入れている
・「フェンダー・ギターの購入者のうち45パーセントは、初心者である」
・「その初心者のうちの90パーセントの人は、1年以内もしくは90日以内でギターを辞めてしまう」。かなりの人がドロップアウトしてしまっており、新規のプレイヤーをキープすることが出来ずにいたことが判明
・ギターを購入した人はその4倍をレッスン料につぎ込んでいる。
レッスンは、プライベートレッスンのような伝統的な方法ではなく、オンラインで受けている。
・「初心者の中で、脱落しなかった10パーセントは一生ギターを弾き続ける」
彼らは平均して1万ドルのお金をギターにつぎ込んでいる。生涯5〜7本のギターを所持し、幾つものアンプ、アクセサリーを買う。
調査結果がガイドラインとなっているのであれば、初心者や女性などを意識しているということ
サイトを見て、親しみやすさや化粧品売り場を連想するのはなにも間違っていなかったのです。
そして女性にとっての色は男性が思っているよりも重要な要素。
イエベとブルベ(イエローベースとブルーベースの略称)、パーソナルカラー(肌・髪・瞳の色など、自分が生まれ持った色素をもとにして、その色素と調和のとれる色)の概念が浸透していることから、色に対する感度が敏感であることがわかります。
前述のACOUSTASONIC JAZZMASTERは5色ラインナップ
可愛いカラーのカポタストが出ている。
「フェンダーは、エレキギターは40パーセントのシェアを誇る最大のメーカーですが、アコギは全体の8パーセントと非常に弱い。」とアンディ・ムーニー氏が語っていましたが、カポタストやACOUSTASONICはアコギの分野への足がかりなのかもしれません。
AMERICAN PROFESSIONAL IIの商品ページを眺めていると色のバリエーションの多さとそのカラーリングの色味に”ガイドライン”の結果を見ることができます。
もちろんその中でクラシックなカラーのサンバーストも魅力的に提示しているあたりがフェンダーがユーザーの声に敏感であることを感じさせます。
ただのギター・エフェクター・アンプブランドではなくなった?
これまでのFenderと変わったのはサイトのデザインや商品のカラーラインナップだけではありません。
「FENDER SONGS」-アプリで登録してある100万曲以上がコード進行と歌詞を自動的に生成する。(現在はiOS版でアメリカのみの公開)
「FENDER PLAY」-会員制のオンラインレッスン
初心者に挫折せずにギターを続けてもらおうという取り組みのオンラインレッスン。
曲のコード進行がわかるアプリはアコギやウクレレのユーザーには嬉しいサービスです。
Fenderはギターをより身近なものにしようと取り組んでいるようです。
「ギターを始めた72パーセントの人は、自分のライフ・スキルとしてギターをマスターしたいと思っている」。別に大きなステージに上がって人前で弾くようなロックスターになりたいわけではなく、純粋にスキルアップの手段としてギターを習う傾向にある。
ともアンディ・ムーニー氏が語っていたことを思い出しました。
自社の経営方針の範囲から1つ頭の抜けた広い視野を持ち、ギター市場のためできることを実行しているブランド、それがFenderといえるのかもしれません。
さいごに
彼らは平均して1万ドルのお金をギターにつぎ込んでいる。生涯5~7本のギターを所持し、幾つものアンプ、アクセサリーを買う。
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