ギターにとって重要な、ネックの反りを調整する「トラスロッド」。基本的な仕込み方や使用方法は同じですが、調整のためのナットやネジの位置は様々です。今回はよくある代表的なものから、ちょっとマニアックなものまで、画像付きで紹介いたします。
ギブソン・タイプ
こちらは一番よく見かけるタイプですね。ヘッドのナット付近にカバーがついていて、ネジを外すと内部に調整用の六角ナットが出てきます。こちらを左右に回すことで調整ができ、弦を外す手間もないので、かんたんに微調整が可能です。
フェンダー・ブレットタイプ
70年代のフェンダー製ギターなどについているのをよく見かける、ブレットナットです。弾丸(ブレット)のような形をした特徴的なナットなのでよく目立ち、この時代のフェンダーギターのアイコン的な役割も担っています。
フェンダー・タイプ
50年代や60年代のトラッドな仕様のストラトやテレキャスターは、ネックエンド部分にトラスロッド調整用のネジが仕込まれています。十字に溝がありますが、回す際は大きめのマイナスドライバーで回すようにしましょう。プラスドライバーでは回しにくく、ネジを破壊してしまう可能性もあります。要注意!
ホイールナット
ESPやシェクターなど、モダンなギターによく搭載されるのがこちらのホイールナットです。基本的には上記のフェンダー・タイプのものと同じなのですが、こちらはネックを外さなくてもナットを回すことができるようになっているのが特徴です。画像では少しわかりにくいのですが、側面に穴があり金属の棒を差し込んで回転させます。
リッケンバッカー
こちらはギブソンタイプと同様、ヘッドのカバーを外すことで調整ができるようになっていますが、なんとナットが2つ付いています。内部でU字型になっている特殊なロッドを使用しており、1弦側と6弦(4弦)側をそれぞれ調整可能です。
なかなか癖のある効き方をするので調整難易度はかなり高め!ナットが細く力の入れ方によっては根元から折れてしまうこともあるので、自身がなければ自分では触らずにプロに任せましょう。
一般的なアコースティックギター
アコースティックギターは、サウンドホールから内部を見ると、指板の裏側くらいに調整用のナットが見えます。L型の六角レンチを使用して調整するのですが、奥まったところにナットがある場合は、長さのあるレンチを使わないとボディに干渉してうまく回せません。
ボディに傷を付けてしまうかもしれないので、無理に回さないように気を付けましょう。
オベーション
リーフホールのオベーションギターには、裏面の蓋を開けて、内部のレンチを回す必要があるモデルがあります。かなり奥まったところにあるので、ディープボウルのモデルであればまだしも、スーパーシャローボディなど薄いモデルは、腕が入らなくてなかなか難儀します。
マーチン
近年のモデルには調整可能なトラスロッドが搭載されていますが、少し特殊な工具が必要となります。ナット自体は、ホール下のブレーシングに開けられた穴よりもかなり奥にあるため、画像のようなかなり長いレンチが必要です。このレンチは購入時の付属品にはありませんのでご注意ください。
さいごに
さいごにQsicで使用しているネック調整用のレンチの一部を画像でお見せしておきます!
買取で状態を見させていただく際に、最適な工具で確認できるように多種多様な種類を準備しています。店頭ではネックの調整も承っていますので、工具がなくて調整ができない方もお気軽にご相談ください!
お気軽にコメントしてください。