お金をそんなにかけなくても音が良くなる秘訣 

アンプ、エフェクター、ギター本体の材質、ピックアップ、エレキギター奏者は選択肢が多い分、なにかと選択を迫られることが多いですね。
同じ音楽ジャンルだったとしてもギタリストの数だけ音色が存在するのが面白いところです。
今回はそこまでお金をかけずにギターの音色を変える方法です。

単刀直入に聞きます。ピックなに使ってますか?


初心者のときになにのピックを使うか、悩んだことを覚えていらっしゃいますか?
あの時はきっと「弾きやすい」「落としにくい」「色が好き」「好きなアーティストのピック」など
音色は優先でなかった方が多いのではないでしょうか。

かくいう私も1.0mmのティアドロップ型に落ち着いて10年以上同じ種類のピックを使い続けていますが、馴染みのものなので使っていて、演奏に関わる要素や材質まで気にかけていませんでした。(ちなみにポリアセタール素材でした。)

「音が変わるんだよぉ~。」とニヤニヤしながら下敷きを切っていろんな形状、厚みのピックを製作、厚紙を加工して、硬貨で、親のクレジットカードで(!?)弾いていた友人が学生時代にいましたが、今考えると相当マセていたのだなぁと感じます。

具体的にどう音が変わるの?

ピック自体を変えるともちろん音は変わりますが、具体的な要素と具体例を列挙してみます。
※使用ピックが時期によって変わるギタリストも多いのであくまで参考程度でお願いします。

・材質
減りの速さ、アタックの質感、弾力の違い、音色、各素材で違いが出ます。

・厚さ
薄くなるにつれて、しなりが出て柔らかいサウンドになりがちです。ニュアンスも出しやすいのが薄いピック。薄いピックはアタック感が遅い傾向にあります。
厚みがあるピックはリアクションが素早いです。角度がつくとハーモニクス音やスクラッチ的なノイズが出やすくピッキングのアタック音が素早いです。

・形状
ディアドロップ、JAZZ、オニギリ、三角、など他にも色々ありますね。
深く握る、浅く握る。など選択肢が多くとれるのが面積の広いピック、オニギリ、三角です。
面積が狭く、尖った先端を少しだけ出すスタイルで正確に動かせるティアドロップやJAZZタイプは出音もタイトで弾いていてラグも少なく、速いフレーズを正確に弾くギタリストに好まれる傾向があります。

・握り方、アングル、深さ、振り幅、ピッキング位置
ピック自体の話ではないのですが、ここはかなりギタリストで差が出るところです。
エッジが立ってツブも揃いやすい逆アングル、倍音の出やすい順アングル、クリアに発音する平行アングル、ピッキング位置はブリッジ寄りなのかネック寄りなのか、狙ってサウンドをコントロールする。
この要素がサウンドを確立し、そのためにピックがあるといっても過言ではありません。

ランディ・ローズ氏が使っていたのがFender製のティアドロップ型、ミディアムの厚さです。強弱が出やすいといった理由で使っていたのかどうかは定かではありませんが、ギター自体の音が硬いレスポールカスタムを元々使っていたのもあって繊細なニュアンスがほしかったのかもしれませんね。
対照的にザック・ワイルドは1.1mmの厚みのあるピックを使っています。太い弦のテンション感に負けないためにはピックにも硬さがいるのでしょうか。

ジューダス・プリーストのギタリストが意外と厚くないピックを使っていたのを雑誌で知って驚いた記憶があります。深く握り込んでピックの先端を少しだけ出す形で演奏していると…。ある程度ピックがしなったほうが音が太く出るのでしょうか。(出典元の雑誌を失念しておりますので詳しい方がいらっしゃいましたらご教授いただけると幸いです。)

ジョン・フルシアンテ氏はジムダンロップのトーテックスの0.6mmを使用、激しいピッキングに対してピックは薄めなのであのニュアンスが出ているのかもしれません。ちょっと遊びのあるグルーブ感にはタイトすぎる出音のピックは向かないのかもしれません。

「爪とピックを同時に当ててピッキングハーモニクスを出しながらかなり強く弾く」とブログに書いていらっしゃった布袋寅泰氏はやはりピッキングも特別ですね。YOUTUBEではご本人の手元の映像が見れるのでかなり参考になります。
三角の0.8mmのピックを深く握り込んでいるようです。特徴のあるピックの持ち方と手首のスナップが印象的ですが、肘がコントロールの鍵を握っているのが映像から推測されます。

アベフトシ氏はFenderのおにぎり型のミディアム
カッティング、テレキャスター、ピックと使用ギターを近づけただけではあのようなサウンドは出ませんが、同じピックを使うことで見えてくるものもありそうですね。
おにぎり型はストロークをするスタイルのギタリストに好まれている印象があります。

高崎晃氏とマーティ・フリードマン氏の対談インタビューにはピッキングについて語られており
マーティのあの独特のピッキングフォームは、右手を完全に浮かせた状態、硬いピックをネック寄りでピッキングしてクリアに音を出しているようです。

スティーヴィー・レイ・ヴォーン氏はティアドロップ型を使用していますが尖っているほうではなく、丸みのある面でピッキングしているようです。パット・メセニーもティアドロップ型のピックを同じ使い方をしているようで、ピックの先端のカーブや面積も試してみる価値は十分にありそうです。

ピック選びは終わらない

一通り好きな曲が弾けるようになって、機材もある程度揃って、技術がある程度ついたときにピックを選び直すと抜群にサウンドがよくなるかもしれませんよ。
ピックを使い分けているギタリストもいます。
好きなギタリストのインタビューを探してみる。好きなギタリストの映像を食い入るように見る。
お金がそこまでかかりません。ぜひお試しください。

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