Gibson Les Paul Customの仕様の変遷 

ちょっと予習復習-「Les Paul Custom」

エレキギターというのは好きなブランドやジャンルが偏ってしまいがちなものです。
なので、少しでも知っておいて、「詳しい人に話しを聞く機会」に備えておこうというのがこの記事のテーマです。
—-詳しい方にとっては「知らない人がどの辺りから知らないのか」を知るようなかんたんな記事になるかと思われます。

今回はレスポール・カスタムについて、かんたんにまとめてみました。

概要

真っ黒なフィニッシュのレスポールというだけではありません。

ヘッドには光を5分割に反射するダイヤモンドのような「スプリット・ダイヤモンド・インレイ」
ボディやヘッドのふちにはミルフィーユのように層となっているマルチセルバインディング
ゴールドパーツで黒に差し色をいれて。

「タキシードに似合うギター」がテーマでしたが、数々の使用アーティストの影響でロックのイメージとの結びつきが強くなっているのがレスポールカスタムです。

音の輪郭がはっきりして硬質でクリアなエボニー指板のトーンキャラクターで、レスポール・スタンダードとは違った持ち味があります。

別名「ブラック・ビューティー」の愛称で馴染みのある機種です。
(コンデンサーのルックスが由来であるという説や、1960年までのものしかそう呼ばないという見方もありますが、現在一般的には「黒いカラーリングのレスポールカスタムがそう呼ばれています。」)

歴史

・1952年に発表されたLes Paulの高級機種として、1954年に発表。
発売当初のピックアップ配列は特徴的で、リアに「P-90」、フロントに長方形のポールピースの「アルニコV」を搭載

・1957年、ピックアップ配列に変更あり、P.A.F.の3基搭載となる(2ピックアップ仕様の選択も可能のちにこちらが主流に)

・1960年に一時、生産終了となりました。

・1968年に生産再開

1968年の生産再開時のものと、生産終了前とは違った構造になります。

ボディ構造がメイプルトップ、マホガニーバックという二層構造でレスポールスタンダードのようなボディに。
装飾なども含むルックスと指板材のみが1960以前と同じといったスペックになります。

・1969年 ギブソン社が買収されレスポール・カスタムにも仕様変更あり
ヘッドが大きくなり、ネックが3ピース仕様になる。
その後、1969年後半から1977年までボディバックが通称「パンケーキ」と呼ばれるマホガニーと薄いメイプルの三層構造が採用される。

・1974年「レスポール発表20周年」記念のアニバーサリーモデルとして、ブラック、ホワイト、チェリーサンバースト、ハニーバーストの4色のレスポール・カスタムが発表される。

・1986年 ギブソンが投資家グループに売却される。新体制で品質に重きが置かれるようになる。
ヘッドのサイズが元に戻り、マホガニーボディ、ネック、メイプルトップ、の仕様となる。

・2004年カスタムショップのみで生産されるようになりました。

・2012年、指板材にリッチライトが使われるようになる。(しっかりエボニー指板で製造されているお品もございます。)

※大きな変遷のみ追っています。抜けがあれば教えていただけると幸いです。

今なお人気が高いレスポールカスタム

定番の真っ黒なカスタム「ブラック・ビューティー」はもちろん圧倒的支持を受けていますが、年式による仕様の変遷やカスタムショップ製で特別なモデルが出ているなどもあって、レスポールカスタムは買う時には迷ってしまいそうなほどバリエーションがあります。

ランディ・ローズが使っていた「白いレスポールカスタム」

ジョー・ペリーの使用で有名な星条旗デザインのレスポールカスタム

WR、ワインレッド

フレイムメイプルトップの杢を押し出したもの

最近入荷したカラーでシビれたのは「Blow By Blow」のジャケットのレスポールのカラーOX Bloodが採用されたレスポールカスタムです。

(ジェフ・ベックのOxblood Les Paulはレスポールカスタムではないのですが、こういう特別な仕様はレスポール・カスタムファンとしては嬉しいですね。)

3ピックアップ仕様、ビグスビー付きのブラック・ビューティーは入荷してからすぐに旅立っていきました。

やはりギブソンのギターは使用アーティストの名演や歴史と共にあるアイコニックな存在のギターが多いように感じます。
そのなかでも特徴的なモデル、レスポールカスタム、欲しくなってきたんじゃないですか?

それではこの辺りで失礼します。

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