ここ数年間で、最もエフェクター界の勢力を動かしたと言えるものが「ギターマルチプロセッサー」ではないでしょうか。
LINE6のHELIXシリーズやFractal Audio Systemsのシリーズなど、その非常に高いサウンドクオリティと機能性により、登場してから瞬く間に大ヒット商品となりました。
ではその人気の理由とは何か。そもそもギターマルチプロセッサーとは何なのか。
今回はその秘密を解説いたします!
ギターマルチプロセッサーとは?
ギターマルチプロセッサーとは何か。一言で言ってしまえば、マルチエフェクターです。
(※下記でご紹介させていただく「Kemper」は例外です。)
基本的なコンセプトとしては、1台で数多くのアンプモデルやエフェクトモデルを手に入れられるエフェクターなので、一般的なマルチエフェクターと同一に思えます。
しかし、BOSS GT-100やZOOM G5のようなマルチとは明らかに違うのです。
その違いは、圧倒的なアンプやエフェクトのモデリング技術にあります。
各ブランドの技術の粋を結集し行った徹底的と言えるサウンドの再現により、”実機のアンプやエフェクターとほとんど遜色ないレベル“のサウンドを出力可能なのです。
「マルチエフェクターは音が良くないから・・・」と使用を敬遠していたプレイヤーも多くいたでしょう。
しかしマルチプロセッサーが登場した今、アンプや数種類のエフェクターを購入せずとも”プロのレコーディングレベルのサウンド”を手に入れることが可能なのです。
例えば、アンプモデルではオリジナルの真空管のニュアンスや回路のクセ、エフェクターではオペアンプの特性まで再現するなど、マルチプロセッサーの多くが驚くほどの技術と熱意によって妥協のないモデリングが施されています。
機材を多く使用するプレイヤーは、ライブやレコーディングの度に本物のアンプを車で運び、たくさんのエフェクターを繋ぐ。そんな手間から開放されたいといつも思っていることでしょう。
しかし、マルチプロセッサーを手に入れると、その1台を用意しただけでこれまでと同等のサウンドが現場でも出力可能となるのです。
マルチプロセッサーの代表モデル
現在ではマルチプロセッサーのモデル数はそれほど多くはありません。
しかし、それぞれに確かな個性があるため、ご自身に最も合う1台をお選びください。
●LINE6 Helix シリーズ
マルチプロセッサーの火付け役となった代表的モデル。
スタイリッシュで未来的なデザインと扱いやすい操作性が特徴です。現存するマルチプロセッサーの中で一番”オーソドックス”と言えるでしょう。
通常モデルの廉価版となる「Helix LT」も登場し、他と比べ価格的にお求めやすいのも嬉しいポイントですね。また、ラックタイプもございます。
定価:およそ13~19万円
●Fractal Audio Systems シリーズ
一言で言えば”プロ仕様”。同じマルチプロセッサーの中でも圧倒的なクオリティを誇ります。
フロア型の「AX8」ではHelix の約259種のエフェクトモデル、約132種のアンプモデルを備えております。その数はLINE6 Helixのおよそ倍。驚異的な数字です。
先月末に国内での発売となった「AXE-FX Ⅲ」もいままでにないハイクオリティで話題となりました。
定価:およそ20~41万円程度
●Kemper シリーズ
上記の注釈で少しだけ触れましたが、こちらは他のマルチプロセッサーとは異なり、アンプとしての製品になります。
実機アンプのサウンドを解析し本体内部にアンプモデルとして取り込んでしまう機能を持つことで有名で、登場時は多くのプレイヤーを驚かせました。
エフェクトモデルの総数や同時使用できる数は他のマルチプロセッサーと比べ少ないので、エフェクターも多く駆使したい場合は実機エフェクターの併用が必要になるかもしれません。
定価:およそ30~37万円
●BOSS GT-1000
今現在、最も熱いマルチエフェクターはこちらです。BOSSらしく扱いやすい仕様とお求めやすい価格で、4月の発売から注文が殺到している状態のようです。今後、マルチエフェクターのナンバーワンとなる可能性があると筆者は睨んでおります。
(中古専門の当店には未だ入荷がございません・・・!)
定価:108,000円
アンプモデルやエフェクトモデル以外にも、多彩で驚くような機能も備えたマルチプロセッサー。
他の機器と比べるとかなり高額な商品にはなりますが、この1台で実機同等のクオリティである多数のアンプやエフェクターが手に入ると考えればお買い得という考え方もできます。
マルチプロセッサー1台あれば、ギター本体とシールドさえあれば何でもこなせると言っても過言ではないでしょう。
プロからアマチュアまで、数多くのプレイヤーが今最も注目しているアイテムですので、この機会にチェックしてみてはいかかでしょうか!
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