アコースティックギターのサドルの高さを変えたい場合、普通ならサドルを取り外して底面を削る他ありません(オベーションのようにシムで高さを調整しているものもありますが)。
アジャスタブルサドルはGibsonが主に60年代のアコースティックギターに採用していたサドルで、なんとサイドのネジでサドル高を調整することが出来ます。
「59年製 J-45のアジャスタブルサドル」
「65年製 のB-25-12(12弦ギター)のアジャスタブルサドル」
(フラットトップギターのブリッジにアーチトップギターのブリッジの構造のアイデアを取り入れているとみることが出来ます)
もっとも、これらの構造はサドルとブリッジが密着しないため「振動を表面板に効率よく伝達する」という点においてはあまり良いものではないかもしれません。ですが「効率が良い≒音が良い」とならないところが楽器の面白いところです。
アジャスタブルサドルは通常のサドルのような骨太さやサスティンには欠ける分、バツグンの軽やかさと歯切れの良さという個性を持っています。明確なトーンキャラクターは好みの分かれるところではありますが、例えば「60年代のJ-45の音」はこのサドルの構造に負うところが大きいと言えます。
サドルの素材はローズウッド、牛骨、セラミックといった種類があり、特にセラミック製は品質が安定していて一番「らしい」音がすると言われています。
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