クラシックギターのはなし 第五回 ちょっとしたことですが・・・。 

さてどんどん話はニッチな方に向かいます
今回はナイロン弦の第3弦について、です。

1-img_9938

ナイロン弦の第三弦はプレーン弦としてはかなり太いものです。
必要な音程の為、重量を得るには仕方がないのですが
径が大きくなると変形しにくく、つまり振動しにくくなってしまうため
1・2弦に比べてハッキリしない音になってしまうのです。
さらに弦によっては精度の問題もあり、どうしても音程と響きに
関して当たり外れがあります。

これをギター側の不具合だと思われる方もいらっしゃるようなのですが
ぼく個人としては、本質的には弦の構造の問題だと思います。
勿論、同じ弦を張ってもギターにより響きは様々であり
普通の弦を普通に張っても素晴らしく3弦の響く楽器はありますが
そうでない楽器でも弦の張り方、チョイス次第で音質を改善できる
場合があります。

①弦が伸びるのを待つ
 3弦が伸びて細くなれば、音質の差は小さくなります。
 張り替えたばかりの時には違和感があっても、慌てて替えずに
 2週間ほど弾き込むと良い感じに馴染む楽器も多いです。

②テンションがかかる張り方をする
 ブリッジに弦を結ぶときに、できるだけサドルに対して
 きつい角度がつくように結びます。サドルを押し付ける力が
 強くなると、音の輪郭ははっきりとし、響き易くなる為です。
 劇的な効果は望めませんが、お金もかからず
 簡単にできるので試す価値はあります。

もし①、②で満足のいく結果が得られなければ・・・
 
③3弦のバラ弦を大量に買い込み、少しでも響きのいいものを選ぶ
 これは弦の精度が今ほど良くなかった時代には3弦に限らず
    当たり前に行われていたようです。
 お金と時間がかかります・・・。

④特殊な弦を使う
 例えばフラメンコ用の弦のプレーン弦には色がついている 
 ものがあります。
 これはナイロンに混ぜ物がしてあるのですが、混ぜ物により
 振動の仕方が変わるため
 当然音色が変わります。クラシック用の物と比べ
 引き締まった音色です。
 その他にも真っ黒なブラックナイロン弦
 ナイロンではなくフロロカーボンを用いた弦などなど。
 こういった弦を3弦に使う、というのも効果があるようです。

 また、3弦の音質についてはメーカーもいろいろ考えているようで、
 3弦にのみ違う素材の弦を採用しているセットも販売されています。

以上、ちょっとした(?)工夫のご紹介でした。

お気軽にコメントしてください。

内容に問題なければ、コメントを送信してください。
コメントは承認後に公開されます。