さてどんどん話はニッチな方に向かいます
今回はナイロン弦の第3弦について、です。
ナイロン弦の第三弦はプレーン弦としてはかなり太いものです。
必要な音程の為、重量を得るには仕方がないのですが
径が大きくなると変形しにくく、つまり振動しにくくなってしまうため
1・2弦に比べてハッキリしない音になってしまうのです。
さらに弦によっては精度の問題もあり、どうしても音程と響きに
関して当たり外れがあります。
これをギター側の不具合だと思われる方もいらっしゃるようなのですが
ぼく個人としては、本質的には弦の構造の問題だと思います。
勿論、同じ弦を張ってもギターにより響きは様々であり
普通の弦を普通に張っても素晴らしく3弦の響く楽器はありますが
そうでない楽器でも弦の張り方、チョイス次第で音質を改善できる
場合があります。
①弦が伸びるのを待つ
3弦が伸びて細くなれば、音質の差は小さくなります。
張り替えたばかりの時には違和感があっても、慌てて替えずに
2週間ほど弾き込むと良い感じに馴染む楽器も多いです。
②テンションがかかる張り方をする
ブリッジに弦を結ぶときに、できるだけサドルに対して
きつい角度がつくように結びます。サドルを押し付ける力が
強くなると、音の輪郭ははっきりとし、響き易くなる為です。
劇的な効果は望めませんが、お金もかからず
簡単にできるので試す価値はあります。
もし①、②で満足のいく結果が得られなければ・・・
③3弦のバラ弦を大量に買い込み、少しでも響きのいいものを選ぶ
これは弦の精度が今ほど良くなかった時代には3弦に限らず
当たり前に行われていたようです。
お金と時間がかかります・・・。
④特殊な弦を使う
例えばフラメンコ用の弦のプレーン弦には色がついている
ものがあります。
これはナイロンに混ぜ物がしてあるのですが、混ぜ物により
振動の仕方が変わるため
当然音色が変わります。クラシック用の物と比べ
引き締まった音色です。
その他にも真っ黒なブラックナイロン弦
ナイロンではなくフロロカーボンを用いた弦などなど。
こういった弦を3弦に使う、というのも効果があるようです。
また、3弦の音質についてはメーカーもいろいろ考えているようで、
3弦にのみ違う素材の弦を採用しているセットも販売されています。
以上、ちょっとした(?)工夫のご紹介でした。
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