クラシックギターのはなし 第二回 ネックについて 

お久しぶりです!クラシックギターの基礎知識をご紹介する本コーナー、第二回はクラシックギターのネックについて、です。

クラシックギターのネックにはエレキギター/フォークギターと比べて明らかに違う点がいくつかあり、それゆえ持ち替える方々がつまずきやすいポイントがあるのですが、ではどんな特徴があるのでしょうか。

①ポジションマークがない!

ギターはそもそも他の楽器や歌の伴奏をするためのものとして発達した楽器なのですが、歌い手や他の楽器キーに合わせて移調が必要な時にはカポタストを用いる事が一般的でした。一定の位置にマークがあったのではカポタストを使用した際にかえってまぎらわしくなることもあり、装飾的なものを除きあまり指板に印をつけることはされなかったようです。

ではコレに慣れるにはどうすればいいのか、ということなのですが単純にシールを貼ってしまうというのが一番簡単かつ効果的です。個人的には5フレットあるいは7フレットのどちらか一ヶ所に貼ることをおすすめします(両方付けると紛らわしくなるかも)。入門モデルやエレアコには初めからついたものもありますので、初めの一本はそういったものから選ぶのもひとつです。

②12フレットジョイント

1-クラシックネックジョイント

12フレットジョイントによるボディとネックの深い篏合とそれによりブリッジがボディエンド寄りに位置することがクラシックギターの豊かな音色を作る要素の一つです。視覚に頼らずとも12フレット(開放弦の一オクターブ上)の位置が直感で分かるというメリットもあります。

デメリットとしては12フレットより高い音域での運指は困難だという事があります。そもそも14フレットジョイントのギターはマーチンがその点を解決すべく作ったと言われています。ただ、エレガットであればカッタウェイのあるモデルは珍しくありません。

2-カッタウェイのあるエレアコ
高音域でのプレイが多い方にはそういったモデルがオススメです(写真はYAMAHA NCX900R)。

③指板幅がワイド!

4-52mm

右手においては細かいフィンガーピッキング(トレモロ奏法など)を行う事、左手は比較的複雑な運指を行う事があることから、任意の弦を弾き分けやすくするため指板幅と弦間ピッチはだいぶワイドです。平均的なナット幅は52mm程度でしょうか(写真は今井勇一 YJ-EX)。さらに指板にはアールが付きません。クラシック的な奏法でもセーハをすることはよくありますが、フォークギターのように6本の弦を一度に押さえることはあまりありません。そうなると弦を抑えること自体にそう握力は必要ありませんのでネックも握りこまず、ネック裏に立てた親指を添える、というのがクラシックスタイルです。

3-47mm

47mm程度までナット幅が抑えられたものもあるので、エレキ等から持ち替えられる方はそういったモデルを一度お試しいただくのもいいかもしれません(写真はGodin Multiac Duet Nylon)。

さて、今回はこのあたりで失礼いたします。次回は「赤いギターと白いギター」についてです。

澁谷

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