ステューデントモデルとカウンターカルチャー 

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中古楽器専門店特有のお問合せで、

「○○というモデル入って来ませんか?」

というお問合せが非常に多くございます。

当店は買取のみで商品を確保しておりますので、残念ながら特定の商品を注文して仕入れるというような商品確保が出来ないのでございます。
その点はご了承頂いて、「もし入ってきたら連絡します」というスタンスでご連絡先などをお伺いしているのですが、
<本当に多いなぁ~、人気があるなぁ~>
というモデルが何点かございます。

それは
Mustang、Les Paul jr.・・・といったいわゆる

【ステューデントモデル】

でございます。

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ステューデントモデルは言葉の通り各楽器ブランド側が販売層を拡大する為やお金の無い(というと乱暴な言い方ですが・・・)学生層でも手が届く価格帯で販売する為にコストを削減して作りだしたいわゆるエントリーモデルなわけでございます。

年代によって様々な仕様変更があったり、カラーリングに特色があったり、価格的にリーズナブルだったり、サウンドに強い個性があったりとコレクションアイテムとしても人気の高い商品ラインでございます。

しかしながら、このステューデントモデル人気は日本独特であるとしばしば言われます。

それは何故かと申しますと、諸外国、特に製造メーカーの本国では「廉価版」として発売されたという印象が色濃くあるからでしょうか。また、先に申しましたように安く販売する為に様々な所をコストダウンしており、ボディが小さく設計されていたり、材が変更されていたり、PUが新開発(発売当時は)の特殊なものが搭載されていたりとサウンド的な人気が今一つという所があるからでしょうか。

とはいえ、上記のような理由があるからこそ、逆にステューデントモデルを効果的に使用しているアーティストやシーンが存在してきたのも事実でございます。

そのシーンとは、時代時代の
「カウンターカルチャー」
のカリスマたちが作り上げてきたシーンだったと個人的には思っています。

カウンターカルチャーとは、その時代の主流とされている流行に相反するムーブメント。

都会的なオシャレなサウンドが流行の最先端とされている時に、無骨で伝統的・牧歌的なサウンドを再興したり。

派手な衣装や派手な舞台装飾を使ったLIVEが主流な時代に、パジャマで現れメンバーのみのミニマムなスタイルでLIVEをしたり。

高額な値段の楽器をプロミュージシャンは使うという既成概念を打ち壊し、安価と言われるステューデントモデルで演奏をしたり・・・

こういったアーティスト達のカリスマ性が、廉価版という印象よりも鮮烈にカッコいいもののアイコンとして遠い異国の日本では認識されたから人気が高いのではないかと。
他にも、諸外国に比べて小柄な日本人にはむしろ適していて弾きやすかったといった意見や、「サウンドやルックスが本当にツボで集めているんだ!!」という方も勿論たくさんいらっしゃるとは思いますが。

ステューデントモデルとカウンターカルチャーは切っても切り離せないよなぁ~といつも思ってしまうのです。
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