振動にはご用心! 

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先日、当店で展示しておりますチューブアンプを移動させる機会がございました。

数時間後、そのアンプで音を出す機会がございまして電源を入れようとした際に
「そういえば展示期間も長い商品ということもあるし少しヒューズなども確認してみようか」
と思い後ろを見たところ・・・パワー管が外れてしまっておりました。

確認せずに電源をつけてしまわなくて良かったなぁ~とホッといたしました。

真空管なんて取れる事あるの?

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、意外に多い事でございます。
(今回のようにスポッと抜けてしまうというのは珍しい部類ではありますが・・・。)

では、「なぜパワー管が外れてしまっていたのか?」という事ですが、恐らく「移動」させたからでございます。

今回移動させたアンプは非常にお問合せも多く、いろいろな方から試奏のご依頼がありまして
【展示している所~電源の取れる所へという移動】を繰り返した個体でございました。
その回数が影響したのは恐らく間違いございません。
そして、いわゆるFenderタイプのコンボタイプでございました。
これも要因の1つと思われます。

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「いわゆるFenderタイプ」とはどういったモデルかと申し上げますと、
Twin ReverbやBlues jr.というモデルに代表されるような、真空管が天面から地面の方に向けて挿さっているタイプでございます。

アンプという機械は本当に衝撃や揺れに弱いのですが、そんな中でも天面から真空管が挿さっているFenderタイプは他に比べてもデリケートでございます。

Fenderのアンプを通販などで購入された事がある方はお分かりになると思いますが、上下逆さまに梱包用の段ボールに入れられて送られて来ます。
構造上、真空管の向きが逆さまについているので工場から発送される際には移動の振動で抜けてしまわない様に元々そうやって配送されている訳でございます。

工場からの発送時に製造メーカーがそのような工夫をするほど移動には弱い構造なわけでございます。
出来るのであれば、上下逆さまにして持ち運びするのがいいのでしょうが中々そういう訳にはいきません。
キャスターを付けていたりすると尚更ですよね。
ですので、アンプを持ち運ぶ事が多い方は電源を入れる前に一度裏面を確認する事をお勧めします。

ただし、精密機械で、高圧電流が流れている箇所もありますので抜けているからといって適当に触ったりされませんようにご注意お願いします。
なまじっか触ってしまうと余計な部分まで壊れてしまう事も少なくないので、精密機器のメンテナンスは専門家に任せる様にしましょう。

 

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