「国産って造りが良いんでしょ?」
店頭にてお客様とお話をしている時によく聞かれる質問の一つ。
そういった質問に対して私の場合、「そういうモノが多いのは事実です。」という回答をさせていただいているのですが、よくよく聞いてみると、
・ネットで見ました
・友達が言っていたので
・何となくそんな印象があります
などなど、周りから得た情報のみでそういったイメージを持たれている方が非常に多い印象を受けます。
という事で、今回は実際にどのように造りが違うのか、5万円以下のほぼ同価格帯のレスポール、そして普段あまり見る事の少ないキャビティ内部同士で比較をしてみました 。
一方は国産老舗ブランドのレスポールタイプ、もう一方は某ブランド傘下の東南アジア製のレスポールです。
それでは早速見ていきましょう。
PUキャビティ
まずはフロントPUキャビティから。
【国産】
キャビティ内部まで綺麗に塗装が施されており、木部の処理も丁寧な印象を受けます。そして、ディープジョイントになっていますね。
【東南アジア製】
赤い塗装の上に導電塗料が塗られているのですが、非常に疎らです。木部の処理も甘く、全体的に粗い印象ですね。こちらもディープジョイントではあるものの、国産に比べると隙間も多く、どこか安心感に欠けてしまいますね。
コントロールキャビティ
続いて、ポットやジャックが取り付けられるコントロールキャビティ内。
【国産】
導電塗料が擦れてやや白い線が見られるものの、全体的には無駄も無く、綺麗に仕上げられていますね。
【東南アジア製】
思わず「こ、これは…」と思ってしまいますが、特に改造されているというわけではなく、おそらく出荷時の状態でしょう。半田付けや導電塗料、木部の処理はやはり「粗い」印象です。これでは半田が外れてしまったり、十分なノイズ対策にもならない可能性がありますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
こうやって比較してみると「国産は造りが良い」といわれる理由が分かりますね。今回のような比較的安価なギターでも非常に丁寧に作られています。
日本人の性格がよく表れているという事でしょう(笑)
ただ、当然ながら東南アジア製のギターでも普通に演奏をする事は問題ありませんし、良いサウンドが出るギターというのも、もちろん存在します。
楽器を選ぶ基準というのは人それぞれではありますが、周りから得た情報だけでなく、ご自身の目と耳で判断した上でお選びいただけると、我々としても嬉しい限りでございます。
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