長年愛されるエフェクターFUZZ FACE 

Crest Audio FUZZ FACEが入荷しました。

近年、ファズが人気で各社様々なモデルが出ておりますが、現行品もあり手に入れやすく認知度も高いのがファズフェイスではないでしょうか。
ファズを使う予定がなくても、楽器店で見かけたり、雑誌やアーティストの機材紹介の動画でルックスだけでも印象に残っているかもしれません。

Crest Audio FUZZ FACEとご紹介しましたが、「あれ?JIM DUNLOPの商品じゃなかったの?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は製造会社が変わっている商品なんです。

最初期~最終期

Arbiter Electronics Ltd.が最初の製造会社です。
1966年に初めてFuzz Faceは発売されました。

フットスイッチ下のラバーが窓になっている箇所に黒地に白文字で”ARBITER・ENGLAND”の表記があるグレーの色が初期筐体です。最初期はグレーのカラーリングの筐体、その次が黒いカラーになります。
1966年、1967年のわずか2年の間に製造されました。
最初期のグレー筐体は後年のものよりずっと丸みがかった形状の筐体で角部分のアールは強い。
「VOLUME」、「FUZZ」、「IN」、「OUT」は細かいフォントになっています。

1968年にダラス社に買収された際に筐体は赤いものが採用されます。
フットスイッチ下の表記は、”ARBITER・ENGLAND”と”DALLAS-ARBITER・ENGLAND”の2種類あります。
トランジスタがゲルマニウムからシリコンに切り替わるタイミングです。

1969年頃から最終期(1976年か1977年が最終といわれている)青い筐体です。
“DALLAS-ARBITER・ENGLAND”表記
筐体内側にHJM3316というエンボスが入っています。

製造会社が、1975年~1976年あたりにイギリスからアメリカに拠点を移している事情があり、1977年が一旦の区切りになっています。

復刻モデル


今回入荷したCrest Audio FUZZ FACEは一体なんだったのかと聞かれると、復刻モデルとなります。
Dallas Music Industries Ltd.が1980年代にCrest Audioを買収しFuzz Faceを再発売したのが1986年
全く同じではないですが初期筐体を連想させるグレーの筐体。
しかし、親会社が依然としてダラスなのでフットスイッチ下の表記は”DALLAS-ARBITER・ENGLAND”の表記であることが特徴です。
シリコントランジスタなのでダラス買収後の1968年以降のものが仕様の近いお品です。

1990年までに約2000個製造したといわれています。

製造会社、社名の変遷

社名を時系列に並べると

・Arbiter Electronics Ltd.
・Dallas Arbiter
・Dallas Music Industries Ltd.
・CBS/Arbiter Ltd.
・Dunlop Manufacturing Inc.

上から順で、現在はDunlop ManufacturingがFUZZ FACEの生産を引き継いでいます。(JIM DUNLOP製品)

ちなみに、今回の復刻モデルとは別の復刻モデルで、世界限定150台、Denis Cornell氏が監修した”ARBITER・ENGLAND”表記のリイシューも出ています。

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