1957年にプラスチック製のドラムヘッドを発売し、本皮ヘッドが主流だったドラム業界の常識を打ち破って以降ドラムヘッドのトップメーカーに君臨し続けるREMO。
そのREMOの定番モデル、コーテッドアンバサダーは叩いたことがない人を見つけるほうが難しいほどの世界基準のドラムヘッドです。
そんなコーテッドに日本国内仕様と海外仕様の2種類あるのはご存知でしょうか。
(ヴィンテージタイプも含めると厳密には3種類ですが)
違いはベースフィルムの違いなのですが、やはりサウンドやタッチにも違いが出てきます。
今回はREMOコーテッドヘッドの日本国内仕様と海外仕様の違いについてご紹介したいと思います。
海外仕様
まずは海外仕様のご紹介から。
海外仕様と言ってもこちらが世界標準の仕様で、多くのドラムメーカーが出荷時に装着しているのもこのタイプ。
見分け方は品番の末にBA-0114-00のように「-00」とあるのが特徴です。
ベースにクリアフィルム(デュポン社のマイラー)を採用しており、オープンで温かなトーンと柔らかめのタッチで。比較的ハイピッチにしても太さが損なわれにくくなっています。
2枚を並べて裏から見た写真。
左がスムースホワイト、右がクリアベース。
比べると、白さとロゴの透け感が全く違いますね。
日本国内仕様
こちらは国内仕様、ベースにスムースホワイトフィルム(デュポン社のメリネックス)を使用しており、品番の末にBA-0114-JPのように「-JP」とあり、打面に「SMOOTH WHITE」とプリントされているのが特徴です。
(海外では-JP表記ではなく「BA-0214-00」などの別の品番が付いているようです。)
また、Pearl社のスネアドラムにはこのスムースホワイトベースのものが標準されています。
クリアベースに比べトーン、タッチともに硬さがありレスポンスにも優れています。
比較的ピッチを上げずともはっきりとした粒立ちが得られますが、太鼓との相性によってはピッチを上げると早いタイミングで詰まり感が出てくることもあります。
Emperorにはさらに違いが
ベースのフィルムに違いがある仕様違いのコーテッドヘッドですが、薄いフィルムを2枚重ねたエンペラーにはさらに違いがあるのです。
このエンペラーは薄いフィルムを重ねたものなのですが、クリアベースは7milの2プライ、スムースホワイトベースは7.5milの2プライとなっています。
フィルムの違いに加え、厚みも違うエンペラーはアンバサダーよりもキャラクターに差があります。
この違いはメーカーサイトやカタログには記載があるのですが、普段は気に留めずご存知なかった方も多いのではないのでしょうか。
ベース、ドラム、アクセサリ担当:前田
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