フルートのノックピンとは? 

当店ではお客様からお売りいただいた楽器をしっかりとメンテナンス・調整させていただき販売しております。

先日フルートの調整をおこなう際に、キイの動作不良がありノックピンを抜くという作業をおこないました。
フルートは連携するキイが多く構造もすごく繊細です。

フルート奏者の方もノックピンが一体どうゆうものなのかご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事ではノックピンについてご紹介いたします!

ノックピン

フルートのキィは連携して動くキイが多くひとつのキィを押さえると別のキィも同時に動くようにする為には、
ノックピンという極小のピンをキイの中央に通っている芯金に打ち込み固定することで、離れたキイ同士が同時に動く構造です。


(左:ノックピンあり、右:ノックピンなし)

上記の画像は違うメーカーのフルートの同じキイ部分を比べたものですが、左側にはピンが刺さっていることがわかるかと思います。
こちらがノックピンです。

ノックピンがないものがある?!

上記の写真の右側にはノックピンが刺さっていません。
実はノックピンはさまざまなメーカーやモデルで伝統的に使用される構造ではありますが、
パイプの撓みによる強度の低下や汗などの水分による芯金のサビの原因にもなることがありそのピンを取り除き、より操作性や不良の少ない構造を求め改良されたモデルがございます。

このノックピンのない“ピンレス・メカニズム”の歴史も古く、19世紀半ばに誕生したベーム式フルートのメカニズムを初めて改良し洗練させた重要な技術革新として知られております。

今回上記の画像で比較の参考にしたフルートは、「Pearl PF-505E」でございます。


(上:YAMAHA YFL-211、下:Pearl PF-505E)

「Pearl PF-505E」のこちらのモデルは、ピンレスシステムと一本芯金の技術が採用されており、ピンを打つための穴を芯金に開けるダメージをなくしキイ一つ一つに一本の芯金を通すことによりキイの動作不良を解消しているのです。
キイの感触も非常にスムーズで軽く、操作性が非常に高いシステムになっています。


(上:YAMAHA YFL-211、下:Pearl PF-505E)

「YAMAHA YFL-211」こちらのモデルは下記の写真のオレンジ色の四角で囲った部分にノックピンが打たれており各キイが芯金に打たれたピンで固定され動く仕組みになっています。
一方で「Pearl PF-505E」は青色の四角で囲った部分にあるブリッジ機構を加えることによりメカニズム全体に強度を与え、またフォルセット・スクリューと呼ばれるネジををキイシステムの下からねじ込むことにより、上述した汗など水分による芯金のサビから起こる動作不良を解消しているそうです。

まとめ

いかがでしたか。

ノックピンのモデルが必ずしも不具合が出るわけではありません。ですが、どの楽器も演奏後にはしっかりと水分を取ってあげましょう。

普段使っている楽器がどんな構造をしているのか知る機会や見る機会はなかなか少ないのではないのでしょうか。
今回ご紹介した楽器はフルート大国である日本の数ある楽器の中ではほんの一部で、まだまだ独自のキイシステムや構造が沢山ございます。

当店では、

  • フルート/ピッコロ
  • オーボエ
  • クラリネット
  • サックス
  • トランペット/コルネット
  • ホルン
  • ユーフォニアム
  • トロンボーン
  • マウスピース/リガチャー
    など管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
    買取・販売どちらでもお気軽にご相談ください!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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