年間たくさんの楽器を検品させていただいておりますが、中にはメンテナンス不足や合わない工具でのメンテナンスにより不良箇所が発生してしまっているものが多少なりともございます。
その中から特によくあるトラブルを2つ、未然に防ぐための心得と共にご紹介いたします。
その1:イモネジやトラスロッドナットが回せなくなる
六角レンチで調整するタイプのトラスロッドやブリッジサドルのイモネジがなめてしまっていることがしばしば。
ここが回せないとネックの反りや弦高の調整ができず、このままではベストコンディションに整えることが難しくなります。
よくある原因としては、
「工具のサイズがあっていない」「工具の精度が悪い」
などが考えられます。
エレキギター界では世界基準である「ミリ」以外に「インチ」という規格がよく用いられます。
ミリ規格とインチ規格のレンチではもちろんサイズが違うので、回るは回るけど厳密はサイズが合っておらず、ネジ側を削ってしまっていることが多いと思われます。
その他に工具の精度が悪かったり、摩耗など劣化している場合もかみ合わせが悪くなります。
回す前にサイズが合っているかをよく確認。
サイズの合った工具を使うようにしましょう。
また、ブリッジ周りでよくあるのが錆が原因のトラブル。
錆びると金属は脆くなるので、サイズのあった工具を使っていてもなめてしまったり、固着してしまったりと良いことがありません。
手の触れるところは、弾いた後面倒でも乾拭きでいいのでお手入れしてあげましょう。
その2:断線して音が出ない
断線の中でもよくあるのがアウトプットジャックでの断線です。
アウトプットジャックは、プラグの抜差しが多く、ライブパフォーマンスで動き回ったりと衝撃を受けやすい箇所です。
固定しているナットが緩むとグラグラして接触不良によるノイズが発生してしまいます。
緩みを解消しようと指でくるくると締めてしまう方が稀にいらっしゃいますが、これがトラブルの原因になってしまうことも。
ナットを締めていくときにパーツを固定しておかないと中でくるくると回ってしまい、引っ張られたり何度も折れ曲がりして断線してしまっている症状がよく見られます。
ポットなど他のパーツも同様ですが、面倒でもプレートを外し手で固定しながら締めていくようにしましょう。
ベース、ドラム、アクセサリ担当:前田
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