有害?無害? 楽器に発生する緑青(ろくしょう)とは 

しまい込んでいた楽器を久々に取り出すと見かける青緑色のサビ。
これは銅が酸化して発生したもので、この独特な色に由来して、緑青(ろくしょう)と呼ばれます。
古い10円玉に付着していたり、鎌倉大仏や自由の女神像は緑青で覆われた青緑色が印象的ですね。

クラリネットの緑青

「銅が反応がしている」と聞くと、黄色っぽい金属で発生しそうなイメージですが、
加工がしやすいなどの理由から身の回りには多くの銅合金でつくられた製品があり、銀色の金属でも発生します。

当店が取り扱っている商品の中では、
・金管楽器やサキソフォン(真鍮)
・木管楽器のキィ(洋白)
・ギターやベースのフレット、ペグ、サドル(ニッケル、真鍮、ジュラルミン)
など、楽器を検品しているとちょこちょこお見かけします。

緑青は有害?

昔は猛毒だとされていた緑青ですが、1984年に厚生省から「緑青は人体にはほとんど無害である」と発表されたそうです。
しかし、楽器にとっては嬉しくない影響がたくさんあります。

●動きを妨げる
金管楽器は、金属の筒でできており、1mm以下の狭い隙間がたくさんあります。
その隙間に緑青が発生してしまうと、本来動かなくてはいけない箇所が動かなくなり、演奏ができなくなってしまうのです。

また、ギターのフレットや弦にサビが発生すると、本来の弦とフレット接点ではない場所が接することになり音程が悪くなったり、チョーキングの邪魔になってしまうこともあります。

トランペットの中の緑青

●塞がりを妨げる
サキソフォンは金属製の本体にあけられた音孔を革パッドで塞いでいるのですが、ここに緑青が発生することで、本来ぴったりと塞がっていなくてはいけない箇所に隙間ができてしまいます。

サックスタンポの緑青

●振動を妨げる
ギターやベースの弦にもサビが発生します。弦に異物が付いていると振動しにくくなって曇ったような音になるのは想像に難くないのではないでしょうか。
また、弦がサビついていることで、フレットにも傷が付きやすくなってしまいます(下の画像はサウンドホールの中心がサビついていますが、多くはネック側がサビているものも多いです)。

弦に発生した緑青

●調整を妨げる
楽器がサビ付くことによって、調整用のネジが動かなくなってしまうこともあります。
下の写真はかなり軽症ですが、微調整ができなくなるだけでなく、酷い場合はこれが原因で故障してしまうことも考えられます。

 

簡単にまとめると、音色や稼動に悪影響があることがお分かりいただけたでしょうか。
さらに、金属のキラキラとした見た目を損なってしまうことも残念なポイントですね。

緑青を防ぐには?

緑青は、銅や銅を含む合金が、酸素・二酸化炭素・水分・塩分などと反応することで発生します。
楽器の場合は演奏時の水蒸気や汗が残った状態で長い間置かれたことで、楽器の各所が錆びついてしまいます。
これを防ぐためには、汗などをきちんと拭き取ることと、押し入れなどにしまっている場合は、換気をすることを心がけていただくようお願いいたします。

私が最近特によく緑青の付着を発見するのはサックスのタンポです。
クローズドキィ(触れていないときに閉じているキィ)のタンポはクリーニングペーパーを使い、管内にスワブを通して、水分を徹底的に取り除くことで緑青の発生を防ぐことにつながります。

おわりに

いかがでしたでしょうか?緑青と楽器についての疑問が解消されれば幸いです。
写真のように緑青が付着している状態でお売りいただいた楽器も、調整の際にできるだけ取り除いて販売しておりますので、安心してお買い求めください!

「他にもこんなことが知りたい!」などご意見、ご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

当店では、

  • フルート/ピッコロ
  • クラリネット
  • オーボエ
  • サックス
  • トランペット/コルネット
  • ホルン/ユーフォニアム
  • トロンボーン
  • マウスピース/リガチャー

といった管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
買取・販売どちらでもお気軽にご相談ください!

 

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