【ミュート≠消音】金管楽器のミュートとは? 

mutes_金管ミュート

金管楽器に用いるミュートは弱音器とも呼ばれ、その名から「音を小さく・弱くするもの」と思われていることも多いようです。

必ずしも音を小さくする目的というよりも、効果音のように使われたり、ギターなどに用いられるエフェクターのように音を変化させる目的で使われます。

色々な種類のミュートを買い取りさせていただいたので、今回はそれらをご紹介いたします。

ストレートミュート

金管楽器のベルにさしこんで使います。
トランペットなどの小型な金管楽器だけでなく、ユーフォニアムやチューバ用のものも販売されています。
金属的な横長な音で、柔らかさも感じられる独特な響きになります。

下の画像はトロンボーン用のストレートミュートです。

ストレートミュート

カップミュート

ストレートミュート同様にベルにさしこんで使います。
ベルにカップを被せたような形状をしています。
上のストレートミュートと比べると、柔らかい音色です。

カップミュート

ワウワウミュート(ハーマンミュート)

ベルにさしこむというセッティング方法は上の2つと同様ですが、ベルを前から見たときに中心に穴が開いています。この穴を左手の平や指で塞ぎ具合を変化させて、「ワウワウ」という不思議な音が演奏できます。
ロック・ミュージックなどでしばしば用いられるワウペダルはこのサウンドを表現するために開発されたとも言われています。

ワウワウミュートの「ステム」と呼ばれる内部管を外して使うこともあり、これをハーマンミュートと呼ぶこともある一方で、
ワウワウミュートの代表メーカーであるハーマン社の名を取って、ワウワウミュートをハーマンミュート呼ぶこともあり、定義は曖昧なようです。
「ステム」を取り外した状態のミュートはマイルス・デイヴィスが導入したと言われ、その鋭い音色とデリケートなプレイが彼のトレードマークと称されるほどです。

バケットミュート

こちらはあまり見慣れない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
バケツのような形をしており、ベルの外側に被せて使います。
中に綿が入っており、音がすこし柔らかくなります。
ビッグバンドなどジャズを演奏する際に用いられることが多いようです。

バケットミュート

プランジャーミュート

在庫にないため画像はありませんが、お椀型をしたミュートで、トイレ用のラバーカップ(英語ではプランジャーと呼びます)で代用されることもあるようです。
演奏しながら左手でベルを塞ぐように持ち、その塞ぎ具合を変化させることで、音色を変化させます。

プラクティスミュート

これまでご紹介したミュートとは毛色が異なり、練習用として完全に消音・弱音の用途で用いられます。
金属製のものやプラスチック製のものなど、様々な材質で作られています。

プラスチック製プラクティスミュート金属製プラクティスミュート

<番外編>

●サイレントブラス
YAMAHAが製造販売している金管楽器用の消音装置で、基本的に「ピックアップミュート」と「パーソナルスタジオ」をセットで使用します。

もちろんピックアップミュートのみでプラクティスミュートのように消音目的で使用することもできますが、ミュートにはマイクが内蔵されており、ケーブルで繋いだパーソナルスタジオにヘッドホンを挿せば演奏した音を聴くことができます。

パーソナルスタジオはミュートを装着しない生の楽器の音や残響音を再現する機能もあり、練習時間や場所を選ぶ金管楽器奏者の強い味方となってくれます!

サイレントブラス

●e-Sax
最近入荷したこちらの商品、ハードケースのような見た目ですが、穴がいくつかあいています。
使い方は簡単で、楽器をセットして、蓋を閉めるだけ。
超小型な防音室の完成です。

こちらもサイレントブラス同様にヘッドホンでe-Sax内部の音を聴くことができる他、外部音源も同時に聴くこともでき、練習の幅が広がります。

e-Saxe-sax2

おわりに

いかがでしたでしょうか?
ミュートには、消音以外の目的のものもあるということだけでも覚えていただければ嬉しいです。

「他にもこんなことが知りたい!」などご意見、ご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

当店では、

  • フルート/ピッコロ
  • クラリネット
  • オーボエ
  • サックス
  • トランペット/コルネット
  • ホルン/ユーフォニアム
  • トロンボーン
  • マウスピース/リガチャー

といった管楽器やその周辺の商品も広く取り扱っております。
買取・販売どちらでもお気軽にご相談ください!

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