ドラムの演奏においてビートの要となるバスドラム。
そのバスドラムを打つキックペダルは足で操作するため、少しのセッティングの違いで大きく踏み心地が変化します。
この調整が自分にあっていない状態だと、ペダルが重くてモタったり、逆に突っ込みすぎてしまったりと不安定な演奏になってしまうことにも繋がります。
マイペダルを持っている人はもちろんですが、スタジオなどの常設のペダルを使う場合にも踏みにくいと感じた場合はささっと調整できるようにしておきましょう。
現在発売されているキックペダルの中には特殊な調整機構を持った例外的なものも存在しますが、今回の記事ではキックペダルの基本的な調整箇所と方法についてご紹介していきます。
各部の名称
・ビーター
実際に打面を打つスティックのようなパーツ。
形状や材質なども様々で踏み心地や音色に影響します。
・フットボード
足接置く部分。
ここを踏み込みこむことでビーターを動かします。
・ヒンジ
ヒールもしくはアンダープレートとフットボードをつなぐ部分。
可動するため故障の多い箇所でもあります。
・アンダープレート
底面の板状のパーツ。
トラッドなモデルではアンダープレートがないものもあります。
・ストラップ
フットボードとカムをつなぐパーツ。
チェーンドライブ、ベルトドライブ、ダイレクトドライブの3種類があります。
・カム
踏み込んだ力で固定したビーターを動かすパーツ。
形状などで踏み心地やアクションに大きく関わります。
・スプリング
踏んだペダルを元の位置に引き戻すためのバネ。
ビーターの長さを調整
ビーターの長さは固定しているボルトを緩めるだけで調整可能なのでまずはここからやってみましょう。
方法は、このボルトをチューニングキーで緩め好みの長さにして再度締めるだけ。
ビーターを長くすると遠心力が大きくなるのでパワーが出ます。
そのかわりに踏み心地が重くなり操作性が鈍くなります。
短くすることで、軽い踏み心地になり扱いやすくなりますが逆にパワーが乗せづらく軽めの出音になります。
メーカー出荷時では、打点が22インチのバスドラムの中心より少し下あたりにくるようにセッティングされているものが多いので、ここから好みに合わせて調整していくと良いでしょう。
ビーターの角度を調整
ペダルの右上にあるボルトを緩めることでビーターの角度を調整します。
ビーターを手前に寝かせることで振りかぶりが大きくなりパワーが出ます。
逆に角度を浅くすることで打面との距離が近くなるので反応が素早くなります。
またこちらもビーターの長さと同じように、
「パワーが出る=重くなる」
「軽くなる=パワーが出ない」
というふうにパワーとスピードはトレードオフになります。
軽いほうが踏みやすいからといって、極端にビーターを短くしたり角度を浅くすると、バスドラムの音が弱すぎるなんてことにもなりますので注意が必要です。
まずは一般的と言われている45°あたりにセッティングしてから踏みやすい角度を探していきましょう。
スプリングテンションの調整
最後にフットボードを元の位置に戻す役割をしているスプリングの調整です。
一般的なモデルを場合、スプリングの下についているナットを回すことで張り具合を調整します。
上側のナットを緩めます。
下に押し下げながら下側のナットを回して好みの張り具合に合わせます。
上側のナットを締めて完了です。
スプリングはパワーというよりはスピードや連打しやすさに影響する箇所で、張りを強めるほどビーターの戻りが速くなります。
が、それと同時に踏み込む際の抵抗が増し、ペダル自身への負担も大きくなりますので、緩めた状態から徐々に張っていきベストなポイントを探っていきましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したのはほとんどのペダルで調整可能な基本的な箇所のみでしたが、ここさえおさえておけばどんなペダルがきてもしっかりと調整できるでしょう。
ベース、ドラム、アクセサリ担当:前田
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