この10年ほどで確実に定着したなと思うものが(個人的にですが)ございます。
それは、軽量・コンパクトとなったベースアンプヘッドでございます。
殊、ベースアンプに限りましては、真空管を搭載したような大型ベースアンプは激減した様に感じております。
色々と理由はあるかと思いますが、今回はそちらに注目をしているわけではないので、その辺りの考証は別の機会とさせていただきます。
一昔前までは、レンタルスタジオに入ってもベースだけやたらデカい8発のキャビにチューブのヘッド、劣化があるのかやたらとブーミーで、他のメンバーに何度も「音量下げて!」と言われ・・・また別のスタジオでは、小ぢんまりとした、コンボが置いてあって、今度は「音量上げて!!」と言われたりして、四苦八苦していたベーシストも少なくないのではないかと存じます。
が、先に申し上げたようなコンパクトで高出力のヘッドが出回り出してからというもの、ベーシストを取り巻く環境は一気に改善されたような気がいたしております。
そんなヘッドアンプは軽量・コンパクトが売りということも多く、自身のアンプを購入される方も一気に増えたように記憶しております。当店でも人気の商材の1つでして、今まで多くのお客様にお求めいただいたのですが、ご購入後に非常に多いお問い合わせがございます。
それは、何かと申しますと
「ファンが回っていないのですが・・・」
というお問い合わせでございます。
アンプで「ファン」と言われてもピンと来ない方もいらっしゃるかと思いますが、これらのアンプにはデスクトップパソコンのような「排熱ファン」が搭載されていることが多いのでございます。
小さな筐体で、ベースアンプのような何百ワットという出力を実現するわけですので熱量が溜まる構造となっており、そのまま熱の処理をせずに使い続けると故障の原因となってしまうので、それを防ぐためにファンが搭載されている機種がほとんどでございます。
もし、そこに不具合があるとどういう症状が出るかですが、一気に壊れてしまうということは稀で、一定時間を使い続けると急に電源が落ちてしまうというような症状が先に現れます。原因は、ほとんどのモデルには熱を感知して自動的に電源を落とす制御装置が搭載されているからでございます。
今まで何度かそういった不具合にも遭遇し、対応させていただくうちに主に2種類のファンが搭載されていることを知りました。
1つは、電源を入れるとその時点から回り始めるタイプ。
もう1つは、熱感知タイプで機械に対して影響が出る温度となったら回り始めるタイプでございます。
初めから回ってくれるタイプはもう、一目瞭然なのですが、厄介なのは熱感知タイプです。
電源を入れるだけでは不具合なのかどうなのかが分からないということで、多くのお客様を不安にさせたようでございます。
少しでも、不安の解消ができればということで、今まで取り扱ってきた経験から知り得たチェック項目をお伝えできればと思った次第にございます。
<チェック項目1:一定時間以上使い続けてみる>
大体、目安としては1~2時間程スタジオ練習などで使ってみて回るようであれば大丈夫。
回らない場合は、おそらく電源が落ちるなどの不具合が見られると思われます。
<チェック項目2:大きな音を出してみる>
こちらは、とあるメーカー様にお伺いした方法なのですが、
「熱が発生するような大きなパワーを発生させれば連動してファンが回る事がある」
そうです。
手っ取り早いのはこちらなのですが・・・中々、大きな音が出せる環境が無いことや、やり方を間違えるとキャビネットを傷める危険性があるなど、あまり推奨しない方法であるとも付け加えておられました。
説明書にもファンの型番など記載されていないなど、調べることが難しい箇所であったりもしますので参考になれば幸いにございます。
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