4月末に発売されたばかりの最新モデル、ZOOM G11。
早くも当店で買取をさせていただきました。
2016年に発売されたG5n以来の大型マルチで、4年の時を経て機能性が大きくアップグレードされております。
ハイクオリティなマルチプロセッサーがしのぎを削る現代ですが、その中でG11の実力はいかに。
実際に触って確かめてみましょう!
デザイン
まず、外観のデザインを見ていきましょう。
今までのZOOMマルチシリーズはシンプルで無骨なデザインが多かったのですが、今作ではかなり特徴のある外観に仕上がっております。
筐体のケースにはカーボンを採用しており、全体的に光沢があるため、従来のモデルよりも高級感を放っておりますね。
強度も期待することができ、そして非常に軽量です。
BOSS GT-1000の3.6kgを凌駕する2.8kgを叩き出しており、実際に持ち上げた際も「えっ、軽っ!」と驚いてしまうほど。
運搬での負担やストレスが少なく済むのは非常に嬉しいですね。
また、各フットスイッチにも鮮やかな赤色が施されており、従来より見た目のインパクトは強烈です。
総合的に、まるで昔のスーパーカーを連想させるようなデザインであり、少年心はかなりくすぐられるでしょう。
操作性
ZOOMのマルチシリーズの魅力と言えば、設定やサウンドメイクが簡単であること。
G11も従来の操作性をしっかり引き継いでおり、設定はかなり楽におこなえる印象です。
機能はグレードアップさせつつも、使い勝手はそのまま維持されているのは、さすがZOOMだと言えますね。
最大の特徴は何と言っても、新たに実装されたタッチディスプレイ。
かなり高解像度のフルカラーディスプレイで、視認性は非常に高いです。
パッチの作成や編集、細かな機能設定は全てスマホのように指先のタッチ操作で可能。
表記も分かりやすいため、ある程度マルチに慣れているプレイヤーであれば、説明書を読まずともすぐに使いこなせるようになりそうです。
また、エフェクトは従来通り各フットスイッチ上部のノブでセッティングがおこなえるのですが、アンプモデリングのコントロールが独立していることも今作で変更された仕様のひとつ。
ゲインやボリューム、EQが全て実際のノブで設置されているため、サウンドメイクは今までのシリーズより格段にスムーズ。
アンプとエフェクトを分けて扱うことにより、今までのシリーズよりさらに実機でのセッティングと同様の感覚が得られますね。
サウンドクオリティ
肝心のサウンドですが、それこそが今作での最大の躍進だと言えるでしょう。
音質、非常に良いです。
まずアンプモデルですが、真空管独特の倍音やレスポンスがどのモデルでもしっかり再現されております。
デジタル感はほとんどなく、リアルで奥行きのある音圧に思わず「おっ」と呟いてしまいました。
そして、どれも再現性が高い。
Marshallは切れの良い歪み、Fenderは乾いた鳴り、MESA/Boogieは重厚なドンシャリサウンドと、各モデリング元の特色や鳴りが確実に感じられます。
様々なアンプのサウンドを1台で網羅できるということがプロセッサーの醍醐味ですが、モデリングごとの音の違いをしっかりお楽しみいただけるでしょう。
ドライブや空間系などのエフェクトも同様に優秀で、ハイグレードな質感です。
歪み方のニュアンス、ディレイなどの音の残り方など、かなり念入りにモデリングの設計がおこなわれているのだと感じます。
実際に触ってみた感想としては、「ZOOM渾身の一作が出たな!」と。
それほどクオリティは高く仕上がっております。
ケンパーやフラクタルなど20万円超えの機材はさておき、LINE6 HelixシリーズやBOSS GT-1000など、ハイエンドなプロセッサーに匹敵する音質です。
新品でも8万円を切るモデルでこのクオリティが出せるのか・・・!と、実際に音を出してみると驚くことでしょう。
プロセッサーでも音の好みが若干分かれるのですが、少なくともクオリティでは確実に他ブランドにも負けません。
上記のモデル以外にも多くのプロセッサーが世に登場しており、どれを買おうか悩まれている方は少なくないはず。
その中でのZOOM G11という選択肢は、非常に”あり”です。
使い勝手や機能、デザインなどがお気に召されるのであれば、必ず心強い味方になってくれるでしょう。
「ZOOMは初心者用」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、その印象は良い意味で裏切られますよ。
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