人類の技術力はすごいもので、時代が進むにつれ、楽器業界でも便利で革新的なアイテムがどんどん登場します。
現在では一般的なアイテムとなりましたが、クリップチューナーも世の中に登場したときは衝撃でした。
ヘッドに挟んで電源をつければすぐチューニングがおこなえるほど「手軽」で、
装着したままでもギターをギグバッグに収納できるほど「コンパクト」で、
さらに、モデルにもよりますが、1,000円前後で購入できるほど「コストパフォーマンス」に優れている。
それまでギタリストやベーシストにとってチューナーはカード型やペダル型しか存在しなかったため、面倒であったチューニングを一気に簡単な作業に変えてしまったのです。
それほど便利なアイテムが存在する現代ですが、それでも筆者はペダル型のチューナーは必要だと考えております。
特に、バンドを組んでスタジオでの練習をしたり、ライブに出演するプレイヤーには必須アイテムです。
プロのペダルボードを見ても、ほぼ必ずペダル型のチューナーが組み込まれておりますね。
では、クリップチューナーと比べて、ペダルチューナーはどこが優れているのかを今回はご紹介いたします。
安定と信頼のチューニング精度
まず、クリップチューナーとペダルチューナーの違いとしては、音程の検知の方法が大きく異なります。
クリップチューナーは楽器の振動を接着部分から受け取り、その振動から音程を認識して表示します。
それに対し、ペダルチューナーはギターやベースから直接出力させる信号をシールドを通して受け取り、その信号から音程を検知するシステムです。
この違いからどんな差が生まれるかと言うと、周りの音に影響されずチューニンができるか否かという点。
スタジオやライブハウスでは、自身だけでなく他のパートのプレイヤーも大きな音を出している状況が多いでしょう。
しかも、自身がチューニングしたい音とは異なる音程で。
そうすると、クリップチューナーの場合は自身の楽器以外の振動を検知してしまい、正常に動作しない、もしくは正しい音程を検知できない場合があるのです。
また、エレキギターやエレキベースはアンプから音を出す楽器。
楽器の振動ではなく、ピックアップに検知され、そこからアンプに送られた音をリスナーは聴き取ります。
そのため、アンプと同じ信号を受信してチューニングをおこなうペダルチューナーは、バンド演奏での音程を合わせることに適しているのです。
それぞれの長所
以上の理由などから、筆者はペダルチューナーはぜひ導入するべきアイテムだと考えております。
もちろん、「クリップチューナーはバンドではしっかりしたチューニングが絶対できない」ということではございません。
クリップチューナーもモデルによれば精度の高い製品もございますし、それほど大きな音を出さないバンドであればチューニングは可能でしょう。
そして、冒頭で述べたように、チューニングの手軽さではクリップチューナーがやはり最強です。何より、余計な配線を増やさなくても導入できるのが嬉しいポイントですよね。
結論としましては、ペダルチューナーとクリップチューナー両方を手に入れることがベストでございます。
スタジオやライブでは安定したチューニングがおこなえるペダルチューナーを、自宅や楽屋などの控室ではクリップチューナーというように、シチュエーションに適したアイテムを使用すれば確実で、不便もないかと存じます。
やはり、どんなに上手くカッコよく弾いても、チューニングが合っていなければ全ては台無しです。この記事が皆さんのチューニングを見直すきっかけになれば幸いです。
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