ゲルマニウム?シリコン?パーツによって異なるファズのサウンド 

荒々しい轟音を繰り出す際にはどんなエフェクターを使いますか?
もちろん、ファズですよね。

往年のロックから、現代的な音楽での激しいサウンドまで幅広い層に愛されるエフェクター。
そんなファズですが、ネットなどで探す際に「トランジスタ」という単語を良く目にするのではないでしょうか。
トランジスタとは、信号を増幅する働きの電子パーツのひとつで、多くのファズにはトランジスタが採用されております。
特に名機とされるモデルにはほとんどトランジスタが使用されており、ファズにとって非常に重要なパーツと言えるでしょう。

では、このような単語もよく目にしますよね?
ゲルマニウム」「シリコン
これはトランジスタの種類を指す言葉です。
しかし、この種類によってサウンドはどう変わるのでしょうか。

今回はゲルマニウムファズとシリコンファズの違いについてご紹介いたします。

ゲルマニウムファズ

その歴史を見てみると、ファズが登場した初期にはゲルマニウムトランジスタが主に搭載されておりました。
サウンドはシリコンと比べ音の粒立ちが粗く、ザラつきのある歪みが特徴。
そして、ピッキングの強弱やギターのボリュームへの反応性が高く、手元で歪み量をコントロールできる特性を持っております。

また、ゲルマニウムでよく話題に挙がるのが、温度によってサウンドが変わるという性質。
パーツの構造により、外気温などの影響によりどうしても音質が変化してしまうのです。
基本的には温度が高い方が音が良いと言われております。

少々厄介な性質を持っておりますが、それでもゲルマニウムファズは高い人気を誇ります。
その理由は、やはりそのサウンドが優れているから。
レジェンド・ギタリストが愛用したヴィンテージの名機などはほとんどゲルマニウムが搭載されており、ローファイな質感ながら深みや太さのある歪みを好むプレイヤーが多いのです。

シリコンファズ

シリコンファズはゲルマニウムより後の時期に採用され始めたトランジスタです。
ゲルマニウムと異なり、気温で音質が左右されることのない安定した動作が特徴です。
サウンドは、比較的キメの細かな歪みで、ディストーションにも近い質感と言えるでしょう。

ゲルマニウムの後釜とも言えるトランジスタですが、現代的なサウンドで比較的扱いやすいため、人気でも決して劣りません。


このように、同じファズでも搭載されているトランジスタによってサウンドや性質が異なります。
ファズをお求めの際は、求めるファズサウンドに適したトランジスタのモデルを探せば、自身にとって最適な1台が見つかるかもしれません。

パーツによる違いや、ゲルマニウムでは気温で音質が左右される点もファズが「面白い」と思えるある種の魅力。
皆さんもぜひファズの深さにハマっていただきたく存じます!

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