Laputa Junji モデル 

この仕事をしていると、仕事の時間と趣味の時間との境目がないタイミングが存在します。

なかでも、アーティストモデルの入荷というのは心躍る瞬間でもあります。
自発的にやり始めて熱中した楽器がエレキギターだったうえにテクニカル志向が強すぎたので、そっちよりのギターはすすんで調整していました。
スティーブ・ヴァイ モデルやイングウェイ モデル、ジョン・ペトルーシ大先生のマジェスティ等、数年務めるうちにこのあたりの有名なギターは別ヴァージョンとの仕様の違いや同モデルの別個体の違うところ探しが始まるようになるわけですが…

今回、今まで実物を見たことがなかったアーティストモデルが入荷して思わずテンションが上がってしまいました。
そのモデルは…

Laputa Junji モデル

LaputaのJunjiモデルESP LA-Buzz-340 White Snake、ESP LA-Buzz-340-ⅡRed Snakeが入荷しました。


アーティストモデルの前振りがエレキギターばかりだったので「ギターじゃないんかい!」とツッコミが入りそうですが、
ESP製、PJ搭載のものとハム搭載のものが1本ずつ、EDWARDSのPJタイプも一緒に入荷してます。
合計3本も入ってきてニヤニヤが止まりませんでした。

90年代ヴィジュアル系好きとしてはたまらないベースです。
「奈落の底」 はギターでコピーしたなぁ…

※全く知らない方のために説明させていただくと
ヴィジュアル系の中でもよりダークでより陰鬱な世界観の”名古屋系”の創世期を形成したバンドのベーシストのモデルです。
Laputaはポジティブパンク/ゴスの影響下にある退廃的でダーク、シアトリカルな世界観で時にハードコア、HR/HMのようなアグレッシブさを兼ね備えた音楽性が特徴でした。
まぁ、時期によって音楽性が多少変化するのが90年代にメジャーデビューしたヴィジュアル系バンド
あるあるなので一概には言えませんが…

通常のフォレストシェイプとは違います。

基本的にはフォレストシェイプのベースなんですが、ちょっと特別です。
ルックスを左右するホーンの部分、4弦側が通常よりも長くデザインされています。
それだけでもインパクトはじゅうぶんなのですが、蛇革パターンのペイントが施されていて
「こういうベースのルックスやデザイン、好きな人は一発KO」 なカッコよさがあります。

もともとギタリストだったJunji氏、機材のセッティングは一般的なベーシストの立ち位置とは反対の上手(かみて)側です。
楽曲だけではなくステージングも重要なジャンル、しかも花形プレイヤーが立つ上手ということで、とても美しいベースに仕上がっています。

アーティストモデルは何故、人を熱狂させるのか

これだけLaputaモデルが揃っているとLaputa Kouichiモデル、ESP LA-カラスも実物を見てみたいと思ってしまいます。
今回、話題にしたのが日本のアーティストモデルでしたが、アーティストモデルの市場は世界でみるととても大きいマーケットです。
たくさんの”好き”が集まるところには価値が生まれます。ひとつのバンドや一人のアーティストが生み出せる付加価値というのは計り知れないものがあります。

ブライアン・メイ 御大のレッド・スペシャルは世界中の工房がそれぞれ思い思いのコピーモデル”レッドスペシャル”を製作しています。
EVHはブランディングがとても巧みで、ギター自体の魅力も素晴らしいですが、エフェクターの流通量も話題にあげないのがおかしいくらいかなりエフェクターが流通しています。
”クラプトンのギターを製作していたビルダーのブランド。”となればもちろんファンは欲しくなるし

プレミア付きでかなりの高値で取引されるモデルも存在します。有名なところだとJacksonがロビン・クロスビーのために特注で作ったファイヤーバードがその例でしょうか。
(ギブソン社のファイヤーバードギターのボディ形状をベースにジャクソンのネックとコンコルドヘッドを組み合わせた形状でパテントの問題で製造中止になり希少性が高まったという事情もありますが)

アーティストモデルが何故、人を熱狂させるのか、楽器を演奏する者にとっての憧れ、人生のルーツがそこにあって
「どうしても敬意を払いたい」
という特別な想いがあるのではないでしょうか。

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