エフェクターを複数使用する場合、パワーサプライを導入するか、電源アダプターに分岐ケーブルを接続して電源供給をされているプレイヤーが多数でございます。
しかし、これからエフェクターを増やしていこうとお考えのプレイヤーの中には、「どっちも複数の電源を供給できる機材なのだから、一緒じゃないの?どう違うの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は2つの電源供給方法の違い、そのメリットとデメリットをご紹介いたします!
最大アンペア数が違います
基本情報として、エフェクターを駆動させるには電圧であるV(ボルト)値と消費電流であるA(アンペア)数が適合した電源が必要ですが、
パワーサプライと電源アダプターを分岐させた場合で変わってくるのがアンペアの最大値でございます。
モデルによってかなり差はありますが、パワーサプライの平均アンペア数が1000~2000mA程度。
電源アダプターの平均アンペア数は200~500mA程度です。
パワーサプライや電源アダプターに記載されているアンペア数は、
「この電源に繋いだ全エフェクターの合計アンペア数が〇〇mAまでなら問題なく駆動できる。それ以上は無理。」という意味の表記でございます。
アンペア値を水に例えると、電源側の最大値は水を入れる器のようなものでしょうか。
ということは、最大アンペア数が多いほど多くのエフェクターを駆動でき、消費アンペアの大きいエフェクターにも対応できるということです。
歪み系など、一般的なコンパクトエフェクターの消費アンペア値は平均10~20mA程度です。
これだけ見ると、「電源アダプターの500mAもあれば十分じゃないか」と思われるかと思いますが、
tc electronic やStrymonなどのデジタルエフェクターでは300mA前後のアンペアが必要となります。
すると、500mAのアダプターでは上記のようなデジタルエフェクターを2台繋いでしまえば、それだけで最大値オーバーとなってしまうのです。
接続したエフェクターの合計アンペア値がオーバーしてしまった場合、エフェクターが正しく動作しなかったり、
最悪まったく電源が入らないようなトラブルが発生してしまいます。
なので、多くのエフェクターを接続する場合やデジタルエフェクターを使用する場合は、最大アンペア値の大きいパワーサプライを選択する方が安全だと言えます。
ノイズの発生率が違います
エレキギターやエレキベースをアンプに繋いで弾いている際に、「ジー」や「サー」といったノイズが発生したことはございませんか?
それらのノイズは電源が原因である場合が多くございます。
なぜ電源によってノイズが発生するかの説明は今回は省かせていただきますが、1つの電源から複数のエフェクターを供給する際はノイズ発生のリスクが高まります。
昨今の電源アダプターはノイズ対策が施されたものも少なくないのですが、複数のエフェクター接続が原因のノイズへの対策は施されていないことは少なくありません。
しかし、パワーサプライであれば多くのモデルにノイズ対策が施されているのです。
高機能なモデルになると、複数のエフェクター接続によるノイズを回避するために、端子一つ一つの電源出力が完全に独立したものもございます。
もしノイズの発生にお悩みでございましたら、しっかりと対策機能が搭載されたパワーサプライを選ぶことをオススメいたします。
価格が違います
これまではパワーサプライを使用するメリット、電源アダプターを分岐させた場合のデメリットばかりを紹介いたしましたが、
分岐ケーブルにもメリットはございます。
それはズバリ、安価で手に入れることができる点です。
新品のパワーサプライの平均価格はだいたい10,000円前後。高級なモデルにもなると20,000~30,000円ほどの価格になってしまいます。
中古でも最低5,000円前後が平均となります。
しかし、電源アダプター単体での平均価格は1,000~3,000円ほど。分岐ケーブルは数百円から1,000円ほどで手に入ります。
消費アンペアの少ないエフェクターを数台のみしか使用しない。
現状ではノイズがあまり発生していない、またはあまり気にしていない。
上記のようなプレイヤーであれば、電源アダプターと分岐ケーブルを使用した方がコストが少なく済むでしょう。
エフェクターの電源に関して、「電源さえ付けば何でもいい」とお考えの方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、もしエフェクターに何かトラブルが発生した際は、電源が原因であることが非常に多いのです。
そういったリスクやコストを考慮し、その上でご自身に最適な電源供給の方法を見つけてください。
今回の記事が少しでもその手助けになれば幸いです。
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