ロック式トレモロ、フロイドローズの魅力! 

弦交換がわずらわしい という理由で敬遠されがちなフロイドローズ

「極論いうと、わずらわしいのはどれも一緒じゃない??」と思う筆者が、フロイドローズ搭載のギターと過ごした中で知ったことをかんたんに紹介する記事です。
(フロイドローズ搭載のギターを使っているギタリストが普段どうやって扱っているかを感じて欲しい記事です。)

そもそもフロイドローズってなに?

1977年に開発。ギタリストでエンジニアのフロイド・D・ローズが考案したトレモロ・システムのことです。
1980年代の初頭からエドワード・ヴァン・ヘイレン、ニール・ショーン、ブラッド・ギルス、ジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ヴァイらの使用によって爆発的な人気となりました。
黎明期の使用アーティストの顔ぶれからお察しの通り、主にHR/HMが好きなギタリストが好むことが多い仕様のひとつです。

過激な音程変化

ギターはフレットが打ってある位置の音程に縛られる楽器です。
チョーキングやベンドで自由は効きますが、アームダウンで音程を下げることやはりアームプレイでしか出せない音ではないでしょうか。

和音を鳴らしてから全部の弦の音程を変化させる
倍音を鳴らしてから音程変化を加える
音程のゆらぎを自在に直感的に扱えるので、リードプレイでの表現の幅はとても広くなる。

エレキギターらしいプレイを次の次元に押し上げ、チューニングのズレを気にせずそれらを扱えるのがフロイドローズのシステムです。

クリケット奏法での素早く上下する音程変化はフローティングのフロイドローズならではです。

音の傾向

ナット側とブリッジ側の2箇所で固定されているので振動に無駄がなく、サスティーンは長くなります。
パーツ自体に重量があり、ボディに弦振動は伝わりにくいので硬い音質になりやすいです。
ネック鳴りに比重が寄るので指板材やネックの鳴りをよく反映します。

ピッキングハーモニクスが出しやすい印象もあります。

フロイドローズ搭載のギターは金属的な響きと表現されることもありますが、やはり「良いギターは良い音がする」、竿自体の個性が存在するし、材のニュアンスや木工の丁寧さは音に出ていることを声を大にして言いたいです。

—-セットアップは大事!
弦の張力とスプリングの張力が均衡を保っている”フローティング”いわば宙ブラリの状態ですので張力がかわるようなことがあればセットアップをし直さないといけません。
(弦のゲージやブランド、チューニングが変わる度)

こういうと「面倒だなぁ」という反応が出ることは想像に難くないですが、、、
そもそも厳密に言えば他のタイプのギターでも同様の事情だとセットアップは必要なので手がかかるのは一緒です。

弦のゲージやチューニングを変えない限りは、ネックの調整とそれに応じて弦高が満足いかなければ6弦側と1弦側でそれぞれレンチで高さを合わせてやるぐらいで運用できるのがいいところです。
これもだいたい季節の変わり目ごとぐらいでしょうか。
※2019年2月現在、当店では6弦フロイドローズのギターの調整の場合4000円以内で承っております。

数年、フロイドローズ搭載のギターと付き合っていますが弦交換してオクターブチューニングを確認するときに意外とズレていないことのほうが圧倒的に多いです。(弦のブランドもゲージもチューニングも弦高も特に変えていないのもありますが)

スプリングがヘタってきたりでスプリングの交換も必要な場合はありますが上記の頻度と比べればかなり少ないです。(※ギターの使用頻度や使い方による)

弦交換

  • フロイドローズはボールエンドを切ってブリッジに六角レンチで固定します。
  • ペグでチューニングして伸びきっていない弦を慣らして完了です。

好きな音楽を聴きながら、YOUTUBEを見ながらすれば体感時間は割とスグです。

弾く前に必要なこと

  1. ペグでチューニングを行う。チョーキングやベンドを各弦で行いながら慣らす。
  2. チューニングが割と整ったらナット側をロックする。
  3. ブリッジ側のファインチューナーでチューニングの微調整。

過激なアーミングをしてもズレないように、手間は少し増えていますが、チューニングの安定度はピカイチです。
チョーキングなどでチューニングがズレることが多いエレキギターですが、それをものともしない安定感が魅力です。

注釈

ナット側のロックをしたまま運用されている場合は3.だけで済みます。
(ファインチューナーは最終的な微調整のための機構なのでペグでチューニングをだいたい揃えておくのは重要です。)

ペグでチューニングする前に、ファインチューナーを緩める側にも締める側にも動かせる中間の位置にしておくのも大事なポイントです。

—-ライブで使うには注意が必要

弦が切れたらチューニングが全て崩壊するので、不安であれば同じようにセッティング、用意したサブ機は必要です。

サブ機持ってるってなんかカッコよくないですか?
管理が行き届いたものを2つも用意できる。
細かいところにも気が利く、モテてしかたない色男みたいな印象があります。

あとは元々、アームアップ側に動かないザグりのものを使うか、アームアップ側に動かないようサスティーンブロックとボディの間に木片等を入れるなどの対策もあります。
わからなければ識者に相談しましょう。
実際にライブで使っている人ならではの工夫はそれぞれあると思います。

注意こそ必要ですが、過激な音程変化、フロイドローズにしかできないプレイはライブで目立つこと間違いなしです。

「使ってみたかったけれど、周りの人はあまりオススメしてくれないな…。」という方は是非、この機会に試してみてください!

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