中古の安ギターを弾こう!のコーナー
(第5回:特別編-多弦ギター)
※Qsicのエレキギターの調整、出品までを担当しているスタッフが試奏レビューいたします。
※当店販売価格が5万円程度、またはそれ以内で販売されているものを”中古の安ギター”と定義してピックアップした個体が登場します。
マイクを通して録った音やインターフェイスを通して録った音より、やっぱり実感してみないとわからない面が大きい
ということで動画や音声はございません。。。あしからず。
※お詫び。今回取り上げるギターは7万円以内、6万円以上の価格帯です。
テーマからズレた経緯:
シェクターの中古美品プレイコンディションOKのOMENシリーズの7弦ギターが3万円以内であったので取り上げようとしたのですが…出品する前に店頭ですぐに売れました!
ピッチもしっかり合っているし、各弦のバランスもサウンドも問題なく使えるレベルだったのですぐに売れて当然といった感じでした。さすが多弦ギターを多く作っているブランド。しかもコイルタップができるという…。
入荷後即セットアップ、その後2日以内で売れていったので写真もなく、別のギターを取り上げようともしたのですが
筆者の脳内は這いずりまわるローエンドのイメージが残っていたので今回は多弦を取り上げます!
~Legator NRF8-200の試奏レビュー~
8弦ファンフレットがなんと6万円台前半です。(2018年7月24日現在)
6弦側27.5inch、1弦側25.5inchのマルチスケール。
この個体はボルトオンのものではなくセットスルー構造です。
レガターは2012年に創設されたブランドで、利益よりも最大限のパフォーマンスを優先しているとのことです。
持っていない、試したことがない方からすると「実際どうなの?」が気になるブランドかと存じます。
—-チューニングは?—-
6弦ギターを弾かれる方には馴染みのない多弦ギターのチューニングは用途によって自由なのですが一応レギュラーは存在します。
1~6弦は変わらずEADGBE
7弦:LOW.B
8弦:LOW.F# というのがレギュラーです。
1~6弦がレギュラーに7弦:LOW.Aを足せば7弦ドロップA
1~6弦がレギュラーに7弦:LOW.B、8弦:LOW.Eを足せば8弦ドロップE
8弦ギターは1~6弦レギュラーに7弦:LOW.A、8弦:LOW.Eを足したダブルドロップ?というものも存在します。
Freak KitchenのMattias “IA” Eklundh(マティアス・”IA”・エクルンド)がこのチューニングです。
7弦ギターで1~6弦半音下げ、7弦:LOW.G# というチューニングも比較的ポピュラーな気もします。こちらは7弦ドロップの全体を半音下げにしたチューニングです。
—-試奏環境—-
ベース用小型アンプ、BOSSメタルコア
8弦ギターでモダンな音作りを、低価格でというのを目標に選びました。
—-感想—-
弾いてみた感じはちゃんとギターの弾き心地で違和感はなく、一人で弾いている分にはピッチがおかしいとは感じなかったです。
やはりゲージによって、チューニングによっては扱いが難しい部分もあるようで、チューナーで見ると7.8弦のオクターブチューニングに違和感は残りました。
押弦すると数セント単位で多少シャープになる印象です。
多弦を所持されている方のなかには低いほうの弦は押弦のシャープするのが気になるので少し数セント単位で下げ気味でチューニングされる方もおられるようです。
7弦ギターでは調整でも演奏でも、あまり感じたことがないのですが、59以降のゲージになると本体の精度はかなりシビアにピッチに出る印象です。
strandberg Boden J8 Custom(8弦ファンフレット、国産の高級機)の調整をした際はオクターブチューニングもばっちりあったので、現時点で私はレコーディングで本気で8弦を使おうとするとそれなりには本体に予算がいるといった結論です。
ただ、本番で使う8弦ギターのフレットが減るのが気になるという方にとっては、練習用の8弦ギターとしてはこのギターは十分値段以上の仕事をしてくれる上に、ライトに多弦を楽しむレベルで演奏動画をアップロードするくらいまでは全く問題ないともいえます。
なによりもピッキングの返りの反応は8弦ファンフレットの実戦そのものという印象です。
チューニングをちょうどよいポイントを探してやると和音も濁らず許容範囲で、価格とスペックを考えるとスペックが異常に高いです。
このギターに限らず8弦ギターともなると低音側と高音側で歪みの乗り方もクリーンの出方も違うのでトレブルとミドルは出し気味で、最後にベースを微調整して1~6弦に負けないようにLOWのハリを出してやる必要を感じました。
BOSSのメタルコアはLOWとHIGHのツマミがあるので、歪み方のコントロールが扱いやすかったです。
太いほうの弦はどうしても歪ませにくく、いい感じにコンプレッション感のあるハイゲインをつくりにくい傾向がありました。
—-多弦ギターが中古で狙いやすくなった!?—-
7弦ギターは出始めはSteve Vaiが曲によっては使っている、Dream Theaterのペトルーシが使っている
など、先駆者、超越者の特別な人たちが難しそうな音楽で使っているという印象で、バンド音楽とは少し隔たりがあったように感じます。
KORNが7弦ギター&5弦ベース(LOW.A)のかつて体験したことのないような重低音で、なおかつ親しみやすいインパクトのある楽曲を世に送り出し
Slipknotが(6弦ですが)7弦のレギュラー並のローチューニング(LOW.B)の楽曲で人気になり。
しばらく時が経ち多弦のラインナップが増えて一部の人が使っていたギターから前よりも市民権を得るようになりました。
今、多弦ギターを持ちたいという方や使っておられる方はMeshuggahに強く影響を受けているかもしれませんね。
アイバニーズ、シェクター、ミュージックマンなどの第一波はもちろん、次の世代の新しいブランドからもたくさんモデルが出て、ユーザーが増えるのに比例して安くてもちゃんとしたつくりの多弦ギターも増えてきたように思います。
今年に入ってからの入荷で7弦も珍しくなくなってきた印象があります。
なにが言いたいかというと、Qsic販売サイトにエレキギターのカテゴリの中のサブカテゴリに多弦カテゴリができました!!!
https://www.qsic.jp/?mode=cate&cbid=787277&csid=13&sort=n
2018年の7月現在は7弦、8弦ギターあわせて7本近く在庫ございますので、店頭にお越しいただければ色々試した上でご購入いただけますよ!
マジョーラカラーの7弦が8万円ほどであったり、ライブで使うのにもってこいの実戦的なモデルもありますのでぜひお立ち寄りください。
P.S.新着のショーケースに4本ほど置いてます。
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