【「全然アルバム出えへんやん」「いやレコーディングも大変やねん」】 

「前作から1年以上経ってるし、曲も貯まってるやろ、早く出したらええのに…」

好きなアーティストがいれば、こんな風にやきもきした事、一度はあるので
はないでしょうか。

一般の人からすれば、出来た曲をレコーディングして、CDに落としてするだけじゃ?と思う方もいるかもしれないですが、
実はこの「レコーディング」 、プロも神経を擦り減らして行う大変な仕事なんです、という事を簡単に説明させていただきます。

よくバンドのCDになるようなレコーディングは、大きく分けて、
『トラッキング – ミキシング – マスタリング』の3つの作業があります。

トラッキングとは、マイクを立てて、ギターやベース、ドラムやボーカルなどをレコーダーに録音していく作業です。
レコーディングというと、この部分を一番イメージしますよね。

バンドのCDなんかを聞いていると、「あれ?ギター二人やのに3本以上聞こえへん?」
のような事がありますが、1マイク1トラックとして保存し、重ねていくことを「オーバーダビング」と呼びます。
トラッキングが終わればミキシングに移ります。

ミキシングとは
録音したトラック(素材と呼ぶことも)のバランスを整えて、ステレオ音源にまとめていく作業です。
バラバラに録音すると、やはり微妙な音量の差や音の抜け具合などが出てきます。
ステレオのパンの振り具合や音色のバランスなども整えていきます。ボーカルのピッチ修正などもこの段階で整えられますね。

ミキシングが終われば最後にマスタリング。
商品として完璧な状態にするべく、最後の調整を行っていきます。

「オープニングSEが終わったら流れるように次の曲にいく」のような曲間の編集なんかも行っていきます。
※そういったこだわりがあって曲順を決めている事もあるので、アルバムは基本シャッフルで聞かないほしいという人もいるとかいないとか…

その他楽曲情報の管理や、必要とあれば最終的な音源の調整も行っていきます。

何回も通して注意して聞いていると、わずかなノイズや物音、異音が入っていたりするので、
ここを甘く見ると出来上がった作品に涙を流すことがあります。
(実体験です。一度気がつくと、以後音源を聞くたびに吐き気がします)

そのマスタリングが終わるとマスター音源が出来上がり、プレス工場へ入稿されていく…

以上、本当に大まかな流れですが、こんな感じです。

トラッキングはプレイヤーが、ミキシングやマスタリングはエンジニアという人が担当しますが、
お互いの意思疎通が取れていないと、本当に思い描いた雰囲気を出すことは難しく、納得のいく作品が出来ないという事も。
辞めようと思った、解散の話が出た、なんかもよく聞きますよね。
「考えている事を伝えるのしんどいからもう自分でやる!」という人も最近は多い気がします。
自宅で簡単にできる環境も整ってきていますし、時代の流れかなーという印象です。

辞めたくなるような途方もない作業を10~15曲作り上げるんですから、むちゃくちゃ時間がかかってしまうんです。
早く作れとは言わずに、気長に待ってみてください。

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