歌を上手に聴かせるために、最低限知っておきたいマイクの基本 

バンド演奏をされる方にとって、歌を聴かせるということは最重要事項と言ってもいいでしょう。
歌はマイクによって声が大きくなり、聴衆の耳に届きます。
そんなマイクの特性を知り、必要であれば自分にあったマイクを用意する事で、より一層歌を良く聴かせる事ができると思います。
わかりやすい比較対象として、スタジオやライブハウスに常備されているSM58のスペックを基準に、マイクの基本的なスペックを確認してみましょう。

1.指向特性パターン

SM58は単一指向性(カーディオイド)です。
ボーカル用ダイナミックマイクの指向性は、単一指向性のものが多いです。
集音をカバー出来る角度は130°程度。
マイクの指向性の角度は、一般的に振動板に対して垂直に設定されていて、その方向から入ってくる音を大きく捉えます。
なので音の出ている方角に振動板の前面を向けるのが基本です。
ちなみに、単一指向性には他にも種類があるので紹介しておきます。

・カーディオイド(カバー出来る角度 130°程度)

振動板の正面からの音に対して感度が高く、マイクの背面から来る音には感度が低いです。
2人のボーカリストの声を捉えることも可能なので便利。
マイクを動かしながら歌うタイプのボーカリストの声も拾いやすく、フィードバックもしにくい設計です。

・スーパーカーディオイド(カバー出来る角度 115°程度)

振動板の横からの音は遮断できますが、背面からの音に対し少し感度が高くなっています。
近くの楽器などからの遮音性が高いのでフィードバックには強いですが、マイクの正面の位置を意識してステージングをしなければなりません。

・ハイパーカーディオイド(カバー出来る角度 105°程度)

前述の2つより背面に対する感度が高くなっています。
しかし、その分側面からの音の遮断は抜群です。
スーパーカーディオイドよりさらに周囲の音が被りにくい性質。
ただし指向性がとても高いので、音源に対するマイク配置にシビアです。
ステージ中に角度がずれてしまうと、ボーカルの音量が小さくなってしまったり、他の音を拾ってしまったりと、注意が必要です。
上手く扱えると、ボーカルをよりクリアな出音にすることができます。
まわりの音も入りにくいので、バンド演奏に声が埋もれることなく浮き立たせることができます。

2.最低再生周波数と最大再生周波数

SM58は最低再生周波数50Hz、最大再生周波数: 15KHz=15000Hz
人の声の周波数は、低いほうが100Hz高いほうが3000Hzまでということです。
ちなみに高い方の3000Hzというのはマライア・キャリーさんのホイッスルボイス級のたかさです。
ほとんどのボーカルマイクが十分な再生周波数を備えていますが可聴域を超えた倍音なども、音色構成に一役かっているとの事ですので念のため確認しておきましょう。

3.感度

SM58は感度 (dBV/Pa): -54,5 dBV/Pa=感度 (mV/Pa): 1,88 mV/Pa
こちらの値は、-54,5 dBV/Paの場合、0に近づくほど感度が高いということになります。
右側の表記の場合は、数字が大きい方が感度が高いということになります。
感度が高いほど、歌のダイナミクスなどの幅が広がりますが、その分ちょっとしたミスなども目立つのでこちらも注意が必要です。
また、声量が大きめの方は少し口から離して歌ったり、マイクの位置に工夫が必要でしょう。

これらのポイントを参考に、自分の歌唱スタイルにあったマイク選びやステージングを検討してみてください!

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