アコギ豆知識 ロングサドル 

黄金期のマーティン、あるいはそんなヴィンテージの仕様を復刻したラインナップのギターの多くには、このロングサドルが採用されています。

一分の隙もなく擦り合わされたサドルとブリッジが膠などで接着されており、その一体感の高さが特長です。スロットの左右が開放されているという点もショートサドルとは異なり、ブリッジが末端まで効率よく振動することがレンジの広い開放的な音を形成していると言われます。


そんなロングサドルですが、顧客からのサドル溝が割れやすいとの声を受け、強度確保のためショートサドルへ仕様変更され、1965年ごろを境に姿を消していきます。ロングサドルは高い精度でブリッジと嵌合する必要があり、ブリッジ、サドルとも加工に非常な手間がかかったことも、比較的手間の少ないショートサドルが採用された理由であるようです。

ショートサドルにも『弦高の調整がロングサドルより容易』『サドル溝の強度が高く破損しにくい』といった機能面での大きなメリットがあります。また昨今の楽器に関しては制作されるときからショートサドルを前提としてそれ以外の部分でバランス調整が施されているため、嵌合の精度さえしっかりしていれば、音質面でのディスアドバンテージは大したものではないともいわれています。

それでもやはりマーティンといえばロングサドル!と並々ならぬこだわりを持つ方も多く、それだけスペシャルなものだと言えるかもしれません。

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