アコギ豆知識 サドルの加工 

以前、弦溝の間を彫り込むことで開放弦の鳴りの独立性を向上させる『スキャロップドナット』という加工をご紹介いたしました。
今回はそのサドル版をご紹介いたします。特にこの加工に名前はないようですが、言うなればこれも『スキャロップドサドル』ということになるのでしょうか。
この加工も主に、各々の弦の鳴りの独立性を調整する目的で一部のギターに施されています。

写真の例ではサドル底部の各弦の間の位置に削りが入っています。削りの大きさがまちまちですが、これには各弦間の響き具合を微調整する狙いがあるかと思われます。

似た効果を狙った加工であるスキャロップドナットとの違いは、開放弦以外にも効果があること、直接サドルとピックアップが接触するアンダーサドピックアップが仕込まれたエレアコに対して大きく効果のあるアプローチであることです。

また、サドルには弦が表面板を押さえつける力がかかっておりますが、スキャロップによりサドルの底面積が小さくなることでサドル底部が表面板を押さえつける単位当たりの力が強くなります。強く押さえつけられることで音の立ち上がりはより鋭く、そして減衰は素早くなる効果が見込まれます。音色の面では基音が強いタイトな音になる傾向があります。

これは良いにしろ悪いにしろ、非常に効果があり、またその効果が多岐に渡る加工です。手軽ではありますが、『スキャロップドナット』より難易度が高いと言えます。

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