角ばったショルダー、浅いくびれ、深い胴厚が特徴のドレッドノート。多くの方がアコースティックギターと聞いてまず思い浮かべるシェイプではないでしょうか。もとはといえばMartin社が作り出したD-18やD-28などのDシリーズがその源流であり、Gibsonのアコースティックギターでさえその影響下にあったといえます。
名前の由来は「超ド級!」という表現の「ド」と同じく、昔のイギリスの戦艦「ドレッドノート」から来ています。当時は並みはずれてサイズが大きなものの表現として一般的なものであったようです。
Dシリーズが開発されるまでMartinでは最大のサイズであったOM(オーケストラモデル)と比べて、その大きさは一目瞭然。具体的には、ウェスト部でおよそ3.5センチ、ボディ全長、ロウアーバウト(ボディ下半分で一番幅の広い箇所)、ボディの厚さが共に約2センチほど長く作られています。
一般にアコースティック楽器は共鳴胴が大きくなるほど低音が良く出るようになり、結果として全体的な音量も大きくなります(もちろん限度はありますが、ギターの音域と人間が抱えられるサイズの上限を考えると「大きければ大きいほど」といって差し支えないようです)。
音色の傾向は語弊を恐れずに表せば、高音域と低音域が派手な「ドンシャリ」です。中音域の飽和感が少ないので、そこに他の旋律楽器やボーカル、あるいはOMなど中音域の密度感が充実したギターを組み合わせたときの相性は抜群。弾き語りやカントリー、ブルーグラスにもってこいです。
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