神業!世界のドラマー神保彰! 

今回ご紹介するドラマーは世界に誇る日本人ドラマー
ワンマンオーケストラでおなじみの神保彰をご紹介!!

慶応義塾大学在籍中にカシオペアの初代ベーシストの櫻井哲夫の紹介により1980年にカシオペアに加入。
その後国内外を問わず注目を集めるドラマーとして人気を集め、1990年に櫻井哲夫と共にカシオペアを脱退。
その後ユニットを結成。
1998年にユニットを解消後ソロアーティストとして本格的に活動していきます。
また、2007年にはニューズウィーク誌の「世界で尊敬される日本人100人」に選ばれるなど音楽ジャンルを超えて世界に名を知らしめる存在となりました!

神保彰のプレイスタイル

演奏技術が素晴らしい事はもちろんですが
彼のドラミングの最大の特徴、冒頭にもありますようにその名も
「ワンマンオーケストラ」
一人でライブをやってのけるのです!
どのようにスゴイのかというと、トリガーシステムを駆使したドラム、ベース、コード、メロディの全てを一人で生演奏してしまうのです。

そのクオリティはサンプリングパッドでリフや効果音を加えたなんて程度ではなく完全なる「曲」になっているのです!

ことの始まりはデビュー以来エンドース契約をしているYAMAHA Drumsのエレクトリックドラムの開発に携わった事から始まります。
90年代になりエレドラのシステムを応用したMIDIトリガーシステムを確立。
自身によりワンマンオーケストラと名付けられたパフォーマンスが完成するのです。

MIDIトリガーシステムって?

先に出ましたMIDIトリガーシステム。
これはいったいどんなシステムかと言いますと、プログラムした音色を各トリガーに割り当てる。
これだけを聞くとエレドラやサンプリングパッドと同じ様に聞こえますが神保彰のワンマンオーケストラに欠かせないシステムがこちら!

それぞれのパッドに例えば3つの音をプログラミングし、その3音をパッドを叩いて発音するたびにスイッチするチェーン機能を使用しています。
つまりド、レ、ミの音をプログラムし叩き続けると
ド、レ、ミ、ド、レ、ミ、ド、レ、ミ…
といった具合にループし続けるのです!

ちなみに左側の横向きに建てられたパッド(添付画像灰色だ円形のパッド)はプログラム切替えスイッチになっており、セクションごとにプログラムを分けているようですね。

ドラムパターンを演奏しつつループも考えてメロディも演奏する。
という事はどこか1ヶ所でも間違えれば曲は崩壊してしまう非常にスリリングなシステムなのです><!

akira jimbo setup

添付画像は神保彰のシンバル以外のセッティングです。

通常のドラムセットの両端にトリガーパッドをセット。
このパッドがメインとなるトリガーですがスネア、タム、バスドラム、ジャムブロックの生楽器にもそれぞれセンサートリガーが内蔵されておりスネアやタムは打面を叩いて生ドラムの音とプログラムした音を合わせたりリムだけをたたいてセンサーを反応させ、プログラムの音のみを発音してアコースティックとエレクトリックのブレンドを考慮しながらプログラムされます。

インタビューでは全てのドラムにトリガーが内蔵されていると語っておりますが一番高いタムと低いタムに関してはトリガーとして使用する事は滅多に無いようです。
セッティングからも見受けられるようにパッドからトリガー内蔵の(サウンドをプログラムしている)タムを通って反対側のパッドに行きつくと言った流れになっており、まるでドラムセットにキーボードを埋め込んだようなセットになっているではありませんか!!

元のセッティングを崩さず、機能的で非常に考えられたセッティングです!

MIDIトリガーシステムはお分かりいただけたでしょうか?
これらのシステムを駆使して同期なしの完全生演奏をしているのです!

神保彰のここがスゴイ!

もちろんMIDIトリガーシステムを使ったシステムは最大の特徴とも言うべき点ですが、この神業とも言うべきドラミングにはやはり手足の独立性が必要です。
この事を4-Way Independenceと言います。

よく「ドラムは両手両足違う動きだから難しい!」と言われますが、通常の8ビートの場合、バリエーションとしてハイハットのオープンで左足をたまに使うか、テンポ取で左足を頭や8分音符で踏む程度で、実際の所は両手右足の3-Way Independence。

しかし神保彰の手足の独立は次元が違います!
分かりやすい所で言うと圧巻のドラムソロでの4-Way Independence満載のフレーズの数々!!
ドラムソロパートにってまず左足のかかとでクラーベ(ラテンの基準となるパターンですね)を踏みながら8ビートや16ビートのバリエーションを叩き、更にはハイハットに残した左足つま先でハイハットのオープンクローズのコントロールもします!
もちろん左足クラーベは残したまま!

この時点でかなり難易度の高いパターンになっていますが、盛り上がるとソンゴやルンバなどのラテン系のリズムを演奏した後にさらに盛り上がると複雑なドラムソロを繰り広げます!
驚くべきがここまでずーっと左足のクラーベを絶えず踏み続けている事!!

これがどれだけ難しくスゴイ事なのかはドラマーでなくても分かるはず…!

もちろんドラムソロの流れはライブによって変わりますが起承転結がハッキリとしておりそれぞれのセクションでモチーフとなるラテンフィールのリズムが使われております。

これだけの独立性があるからこそMIDIトリガーシステムを操れるのですね!

さらにスゴイ所はこのシステムをライブをしてしまう所!
どういう事かと言いますと、

セットリスト分の曲を覚えないといけない。

ワンマンオーケストラでは楽譜は見ていません。

失敗が許されない。

もちろん”ライブ”なのでやり直しが効かない

ワンマンオーケストラの楽曲はオリジナルはもちろん、名曲のカバーをする事もあり中には約30分もある超大作まで演奏するのです!
非常にリスキーなパフォーマンスでありながらも正確なドラミングの神保彰ならではの技ですが…演奏技術もすごいけどこれを覚えるのもスゴイ!

 

おまけ

神保彰はフュージョン、インストのイメージが強いかと思われますが、日本のトップアーティスト。もちろんスタジオワークもしております。

有名どころで言うと…
劇場版ポケットモンスターの第1作目ミュウツーの逆襲で使用された
「目指せポケモンマスター’98」
TVアニメ版とは別のアレンジがされており
その際にレコーディングに参加されたそうです。

関ジャニ∞
全ての楽曲ではありませんが
「Carnival」や「果テナキ空」などクレジットに掲載されている楽曲もあるようです。

SMAP
「Peace!」シングルバージョン
スマップ専属のレコーディングバンドSmappiesは海外のそうそうたるメンバーで編成されていますが
日本人ドラマーが参加することは珍しいのではないでしょうか?

2012年紅白歌合戦
石原裕次郎の名曲「嵐を呼ぶ男」を舘ひろしが歌った際にバックを叩いていましたがこの時は神保彰スペシャルバンドとして大々的にフィーチャーされていました。

他にも数々のレコーディング、バックバンドに参加してますので調べてみてはいかがでしょうか?

 

いかがでしたでしょうか?
神保彰ファンの方はもちろんご存知かと思われますが今まで詳しくは知らなかったという方はぜひこの記事を読んだ後に一度ワンマンオーケストラをご覧になってください!
仕組みが分かるとさらに楽しめますよ!!
ドラムの新しい”カタチ”を切り開いた神保彰のご紹介でした!

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