ギターメーカーの企業努力の賜物「独自技術」をご紹介します! 

様々なギターメーカーがある昨今ですが、中には聞いたこともないような独自の技術を使って、サウンドを追求しているものも多数存在します。
今回は楽器メーカーがより良い音や使いやすさを求めて生み出した、独自の技術をいくつか紹介します!

YAMAHA A.R.E (Acoustic Resonance Enhancement)

ARE2

アコースティック・ギターの重要なポイントは何と言っても鳴りの良さ。AREは短期間で木材を熟成させ、長年使い込まれた楽器のような鳴りを生み出す、ヤマハの誇る木材改質技術です。

バイオリンの開発時に「なぜ古い木材のバイオリンはいい音が出るのか」という視点から研究し、熟成した木材の丸く深みのある音を再現するための技術として誕生しました。

温度、湿度、気圧を高精度にコントロールする専用の装置で処理することで、新しい木材をまるで長年使い込まれた楽器のような深みのある音が出る木材へと変化させます。

こうして生まれ変わった木材を使用して製造される楽器は、まるでヴィンテージ楽器のような豊かな鳴りを持っています。
当店にも同技術が使用された楽器が頻繁に入荷しますが、新しいモデルでも、しっかりと良く鳴る個体が多い印象です。

FUJIGEN C.F.S (Circle Fretting System)

CFS

国産ギターブランドの金字塔フジゲンが持つ「サークル・フレッティング・システム」は、ピッチが不安定なギターという楽器の弱点を克服するために生まれた独自の技術です。

一般的にはフレットは指板上にまっすぐに打ち込まれていますが、CFSが採用されたギターではフレットを円弧状に打ち込むことで、オクターブピッチの狂いを最小限に抑えます。

単音でのソロプレイの際にもピッチの安定を感じることができますが、しっかりと調整されたCFS搭載ギターでコードを押さえて鳴らしてみると、各音のまとまりをしっかりと体感できます。

TOKAI S.E.B (SOUND EFFECT BODY)

SEB

かつてレスポールのコピーモデルが高く評価されたことで、一躍有名ブランドとなったトーカイのこだわりが詰まった技術「SEB」。

画像を見ていただければわかるように、繊維の向きの異なる木材をサンドした3層のラミネイト構造が特徴となっています。

~以下メーカサイトより引用~

木材には木目の縦方向(繊維方向)と横方向があり、振動の伝わる速さは4:1位の違いがあると言われています。
言い換えれば繊維方向は横方向より振動の伝達が速いわけです。

今回開発しましたSEB構造のソリッドギター、ベースはこの振動特性に着目し、ボディの中層に木口方向(木材の縦方向)にカッティングし張り合わせた構造のボディ材を使用し、それを従来通りの木目方向(木材の横方向)にカッティングした材料で挟んだ3層構造となっています。

ラミネート構造のソリッドギター、ベースは従来から種々ありますが木口をラミネートする構造のものはありませんでした。

この構造により表板が受けた弦の振動がいち速く中の木口面を伝わって裏板全面に届き、また反射して木口面を通して表板に伝わるということが繰り返され、これまでのソリッドギターとは違う新次元の鳴りが生まれました。

さいごに

楽器メーカーのサウンドに対しての追求はいつになっても続いています。
今回紹介させていただいた技術はほんの一部ですが、良質な木材も少なくなってきてしまっている昨今、こういった独自の技術や新素材などを駆使して、いい音を聴ける時代が続けばいいと願っています。

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