今まで数々のロングセラーモデルを生み出してきたBOSSですが、稀にセールスが振るわず、短い期間で生産中止となるモデルもありました。皆様が短命だったモデルで頭に浮かぶのは何でしょう?XT-2を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。いかにも攻撃的な真っ赤なカラーリングがインパクト抜群でしたね。ぱっと見では効果が分からないCONTOUR/PUNCHノブも印象的です。おおよそ1年と10ヶ月ほどで生産完了になったそうですが、それよりも早く終了になってしまったペダルをご存知でしょうか?それが今回ご紹介する”PW-2″というペダルです。
【BOSS PW-2とは】
このPW-2はXT-2よりもさらに早い約9ヶ月で生産中止の判断を下されてしまったペダルなんです。なんでそんなことに・・・と思いますが、実際に触ってみるとその理由もなんとなく見えてきます。今までのBOSSとは一線を画す質感になっているんです。
特徴的なのはFAT/PUNCHの書かれたノブ。XT-2と同じくぱっと見では効果がさっぱり分かりませんが、中低音~中音域をコントロールしてくれます。このペダルは中音域の押し出し感が強く、DRIVEの可変域も広くありません。とりあえず12時の位置から初めて音作りしてみるか…と軽い気持ちでセッティングすると衝撃を受けます。ニルヴァーナよろしくなグランジ系のディストーションが出来上がります。オーバードライブに分類されるペダルではありますが、個人的なイメージとしてはディストーションの世界に肩まで浸かっている印象を受けます。
確かにブリッジミュートやパワーコードを弾く分には幾分の心地良さがありますが、オーバードライブとして考えるとサウンドの幅が狭く、クランチという概念は存在しません。BOSSらしくないダーティー感が目立ちますが、反面ピッキングに対する反応が優れています。その結果DRIVEを上げてガシガシ弾くにしても手元に気をつけないと粗さが出てしまう、非常に玄人向けなペダルになっていたんです。当時は面を食らった人も非常に多かったのではないでしょうか。
【使いやすいのが一番】
BOSSのエフェクターはざっくりなセッティングで良い感じに鳴ってくれる音作りのしやすさ/使いやすさが人気の理由の1つだと思います。PW-2にももちろん心地良いポイントはありますが、手探りでそこを見つけにいく手間はそれまでBOSSを愛用していた方には馴染まなかったのでは・・・と感じました。
とはいえ当店ではこれまで数多のBOSSペダルを買取してきましたが、中々お目にかかれないレアモデルでもありますので気になる方はぜひ一度触ってみてはいかがでしょうか?
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