アコースティックギターの弦高について 

いつも記事をご覧いただきありがとうございます!

今回はアコースティックギターの弦高についての考察となります。

弾き心地や音の響きに関わる部分ですので、お悩みの方もいらっしゃると思いますが、
自分なりのベストを色々と探ってみました!

それでは早速いってみましょう!

アコースティックギターの適正弦高は?

当店では基本的にアコースティックギター(以下アコギ)の場合は、12フレット上で6弦が2.5mm、1弦が2.0mmで調整しております。

このくらいの設定が、音がペラペラになったりせず演奏性も悪くない、無難な調整だと感じています。

ちなみにソロギター向けギターの場合は、もう少し低めの弦高にして演奏性を重視することもあります。
(カッタウェイ付きのエレアコなどは低めの弦高にしている方が多い印象です)

弦高に関しましては、ネックが反ったりトップが膨らむorへこむなどあれば、
それだけで変わってしまいますのでずっと同じ状態をキープするのは正直な所大変です。

それでは弦高調整に関して、いくつかのポイントを解説していきます。

弦高を下げたい場合

弦高を下げる方法はいくつかありますが、大まかに3つあります。

①ネックの反りを調整する。

ネックの順反りが強くなってきた場合はそれに伴って弦高が上がってきますので、トラスロッドを回してネックの反りを適正にすればある程度まで下げることができます。
ネックをまっすぐにしすぎても良くないので、とりあえずネックをやや順反り程度に設定してみてまだまだ弦高が高い場合は、反り以外の部分で微調整したほうがいい場合もあります。

②ナットの溝を削る。(ナットが高い場合)

新品のギターを買った時などは特に、ナットが高めの状態になっていることがあります。
その場合は溝を削って深くし適正な状態に合わせますが、そうすることにより少し弦高が下がります。
ほとんどの場合、ナットの溝を削るのはローポジションの押弦をしやすくするためですが、
副作用として弦高も少し下がるということです。

③サドルを削る。

アコギはエレキギターとは違い弦の張力により年数が経つにつれてトップが膨らんでくることがあります。
それに伴ってブリッジ側から弦高が高くなってきますので、ネックの反りが適正な状態、ナットの高さ(溝の深さ)が適正の状態でまだ弦高が高い場合は、サドルの底面を削ってブリッジ側から弦高を下げる必要があります。
ただし湿度や乾燥の具合によってはトップの膨らみが戻ったり逆にへこんできたりする場合もあるため、
あまりサドルを低くしすぎないほうが後々助かることも考えられます。
ですので、色々考えるとやはり保険をかける意味で、6弦2.5mm、1弦2.0mm程度にしておくほうが無難な気がしています。
トップの膨らみ具合が季節の変わり目などでもほとんど変わらない場合は、サドルを低めに加工してしまってもいいと思います。

上記のように基本的にはこの3箇所を調整しますが、ギターの状態によっては全ての箇所を調整しても弦高が高いままということも考えられます。

その場合は残念ながら弦高が高いまま我慢して弾くか、弾きやすいギターへの買い替えとなりますが、
アコギに関しましては保管を適正に行うことによってある程度状態を安定させることができるため、
普段からペットのお世話をするような感覚で、湿度管理や弾き終わったら適度に弦を緩めるなど、大事に扱ってください。

弦高を上げたい場合

今度は弦高が低すぎて弾きづらいなど、弦高を上げたい場合に関してですが、
基本的には弦高を下げる時と逆になります。

①ネックの反りを確認する。

梅雨の時期や冬になると湿気や乾燥によりネックの状態が変わりやすくなり、
元々やや順反りで合わせていたネックが季節の変わり目で逆反りになっていたりすることがあります。
その場合は、トラスロッドで反りを調整し直すことによって多少弦高が上がります。
逆反りの状態では音づまりが出るだけでなく、音自体も変わってしまうため、
最低でも6月と12月くらいで、半年に一度チェックするの望ましいです。

②ナットが低すぎないか確認する。

次は、ナットが擦り減るなどして低くなりすぎていないかチェックします。
チューニングして弾き終わったら緩めてと繰り返しているうちにナットが徐々に減ってきます。
また、弦のゲージを細いものに替えた際にナットの溝幅に対して弦が深く入りやすくなるため、
ナット自体は替えていなくても弦のせいでほんの少し低くなります。
低くなりすぎた場合はナットを作り直すか、ナットを換えたくない場合は底面にシムなどを挟んで底上げしたりする必要があります。

③サドルを作り直すorサドル下にシムなどを挟む。

①、②を確認して問題なかった場合は、サドルを作り直すか底面にシムなどを挟んで高さを出します。
前述の通り、ボディトップに関しては膨らんだり戻ったりする場合があるので、
状態の変化を見越してとりあえずの様子見でシムを入れるのもありです。
振動をなるべく殺さないという意味ではあまりシムなどは挟まないほうが良いとは思いますが、
入れて音が急激に悪くなったと感じたことはありませんので、そこまで気にする必要はないと思います。
状態がすでに安定しているギターであれば、その状態に合わせてサドルを作り直すのがいいでしょう。

 

 

弦高による音への影響

よくアコギは弾きにくいからエレキギターと同じくらい低い弦高に調整してほしいとおっしゃる方もいますが、
個人的に低すぎる弦高はおすすめいたしません。

アンプで音を作れるエレキギターやベースなどの場合は、弦高を下げた場合に生じる音質の変化を
アンプやエフェクター、プリアンプなどである程度補うことができますが、
エレアコ以外の純粋なアコギでは補正されることなくそのまま音になるため、
逆算してどうするかを考えないといけないのが難しい所です。

低い弦高のアコギは、温かみのあるふくよかな音色が出にくくなり、

弦の張りが若干弱くなるため音が軽くなります。

弦を太いものに換えて、ある程度音を太くすることはできますが、
経験上「太い弦を張って弦高を低くした音」になるだけで、
普通の弦を張って弦高を高くした場合とではやはり音が違います。

ソロギターやアルペジオなどストロークをあまりしない演奏の場合は影響を受けにくいので、
その場合はある程度弾きやすさ重視のセッティングでもいいと思いますが、
弾き語りなどストロークがメインの場合はかなり音に物足りなさを感じます。

ただし音の好みには個人差があるので、低い弦高特有の音が好きな場合はそれで大丈夫です。

ご自身がどんな音を好むのか、演奏していく中でじっくり探していってください。
(やりすぎると沼にはまりますのでご注意ください)

個人的な理想の弦高

一例として自分のギターの弦高を書いておきます。

使用ギター:Martin D-28
使用弦:ELIXIR/ NANOWEB Phosphor Bronze Custom Light(11-52)
弦高:6弦2.4mm、1弦1.9mm
ネックの状態:やや順反り

現状はこのくらいにしていますが、6弦をあと0.1mm下げるかどうか悩み中です。
自分はテクニカルなプレイはできず、ストロークのみなのでそれに特化した設定にしています。
これでも1時間弾くと左手の筋肉がパンパンになるので、
自分の場合はギターのセッティングより先に筋トレをしないとダメな気がしています。(笑)
11-52より細いゲージになると音が弱く感じるので、
暫定でこの状態になっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ギターに関しては、セッティングでめちゃくちゃ変わりますので、
弾きにくい、音がイマイチ、といったギターも、
リペアマンに相談して調整し直せば驚くほど良くなることもあります。

入荷した時点で弦高が高く、音がイマイチだったギターが、
調整やり直してからもう一度弾くとすごく良いということは結構あります。

本体そのものが優れていれば当然音も良いですが、
せっかくならセットアップにももっとこだわっていきましょう!

ちなみに何度も言いますが、アコギは状態が変わりやすいので完璧な状態を長続きさせるのは難しいです。
不具合が出るたびに調整し直すのは面倒ですが、それがアコースティック楽器の宿命です。

ほったらかしにしないで、いつも愛情を持って接してくださいね。

今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

 

 

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