Martin D-28 はやはり良いギターだった! 

いつも投稿をご覧いただきありがとうございます!

前回から引き続きアコースティックギターに関しての投稿となりますが、
今回はド定番である、Martin D-28に関しての記事となります。

それでは最後までよろしくお願いいたします。

Martin D-28とは

D-28自体は1930年代にはすでに作られていて、戦前のビンテージ品などは高額で取引されているようですが、
それらの歴史を最初から最後まで全て書くと、 とんでもない長さになりますので、
今回の記事では現行品やその少し前の世代(1990年代~現行品)のものについてのお話とさせていただきます。
※Martinファンの方はすでに知っている内容だと思われます。
 今回の記事はMartin入門者向けとなっております。

マーティン社のドレッドノートタイプのアコースティックギター(以下アコギ)には、D-18、D-35、D-41など、
使用木材や装飾の違いによる様々なモデルがございますが、 D-28はその中でも最もスタンダードなアコギとよく言われています。
スプルーストップにローズウッドのサイドバック、マホガニーネックにエボニー指板と、他のメーカーでも多く採用されている定番のスペックですが、
長い販売期間の中でも細部の仕様変更のみで基本設計は大きく変わらず、発売開始以来90年近く生産され現在に至っております。

そのサウンドは、マーティンらしいきらびやかな高音はもちろん、ローやミッドもしっかり出ており、
どんなジャンルにも対応する懐の深さをもっております。
マホガニーサイドバックのD-18と比べて、よりどっしりとしたサウンドで、 好みは分かれるところですが、
より汎用性が高いモデルであると感じます。

「どっしりとしたサウンド」に関しては、特にフォワードシフテッド・ノンスキャロップド・ブレーシングに変更された2017年より以前のモデルはより顕著で、
剛性が高くなる分トップが鳴りにくいというデメリットはありますが、それ以降のモデルと比べてより重厚なサウンドであると感じます。

2017年以前と以後の違いについて

定番のD-28も、年代ごとに少しづつ変更はされてきましたが、2017年に大幅な仕様変更がありました。
その中でも特に大きな変更点について解説していきます。

先ほど少し触れましたが、まずフォワードシフテッドXブレーシングへの変更されています。
強度を確保するためブリッジ側に寄せてあったブレーシングを昔のようにサウンドホール側にずらし、
よりトップが響きやすくなるようになっております。
鳴りやすさをとるか、トップの膨らみにくさをとるかは好みが分かれるところです。

次にネックに関してですが、ナット幅とネックの厚みが変更されています。
ナットが約43ミリから約44.5ミリと少し広くなり、ネックの厚みもやや増しています。
手が小さい方は特にナット幅が広いと弾きづらく感じる場合があるので、
そういった理由から2017年以前のモデルを探す方も結構いらっしゃいます。

厚みに関しましては若干増えたなといった程度で、けして太いネックではありませんので、
こちらは特に気にする必要はないかと存じます。

また、ネック関連で言えばペグも変更されており、ロトマチックタイプから軽量なオープンタイプとなったことで よりビンテージに近づけた仕様となっております。
しかし、重量のあるロトマチックタイプのほうが音の重厚感やサスティーンの面では有利なため、こちらも好みが分かれるところです。

見た目に関しましては、ピックガードが昔ながらのべっ甲柄へ、 トップのカラーが日焼けしたような色味に、
バインディングが白からクリーム色に、 それぞれ変更されています。
古いモデルでも日焼けすればだんだん茶色くなりますし、
ピックガードは剥がしてべっ甲柄に交換もできますので、 そこまで気にしなくてもよいポイントかと存じます。

他にもヘッドのロゴなど細かい変更点はございますが、大きな変更点に関してはこのような感じです。

 

こちらは筆者所有の2001年製。トップがやや色焼けしています。

    

 

こちらは2022年製のかなり新しい1本。べっ甲ピックガードが渋可愛い!

 

結局どっちがお買い得なのか

自分もつい最近D-28を購入しましたので、ユーザー目線に近いリアルな意見になるかと存じますが、
「現行品もそれ以前のものも甲乙つけがたく、どちらも良かった」というのが本音です。
そして気にいるものを見つけた場合は、無くなる前に早めに買った方がいいと思いました。
大きな修理箇所がなく平均的な価格なのであれば、その時点で一考の価値ありです。
現状どんどん値上がりしているというのもありますが、程度の良い個体や、 良い木材を使っている個体が少なくなってきている印象があり、
気に入った1本をなるべく安いうちに買って、売らずに大事に長く使うのが最適解かと感じております。
新品価格が上がれば上がるほど中古価格も高くなり、それに伴って売却時の買取価格も高くなるためです。

ちなみに私は2001年製のD-28を購入しましたが、決め手は音の太さでした。
ブレーシングは旧タイプというのもあり鳴りは正直まだまだで、数年間の弾きこみは必要ですが、
他のメーカーの同じような仕様のものと比べ、ドン!と強く音が前に出る感じが非常に良かったポイントです。
低音ばかりが出ているわけでもなく、123弦の高音のキラキラときらびやかな音色はやはりMartinといった感じで、
「低音高音どちらもしっかり出ている=Martinのスタンダードモデル」ということなのかと感じました。

フィンガーピッキングやソロギターがメインの方は000-28などの小ぶりで弾きやすいモデルのほうがよさそうですが、
私のように弾き語り、たまにアルペジオといった使い方であれば、やはり音が大きく太いドレッドノートが合うと思います。

例えば同じく人気機種であるGibsonのJ-45と比べてD-28はスケールが少し長い分やはり音にハリがあります。
私はエレキギターではGibsonのレスポールJrを使用していて、ミデイアムスケールが一番弾きやすいと感じておりますが、
アコギに関してはちょっと物足りなく感じてしまいました。
ピックアップを使わない素の音が全てですので、その辺りも関係しているのではないかと思いました。
(とはいえJ-45の音はMartinでは出せないため、いずれ購入することになりそうですが)

購入前にもちろん現行品のD-28も弾きましたが、自分には価格的にも仕様的にも 古めのほうが好みでした。
最近のD-28は新品価格で約40~45万円ほどしますので、現行品の中古品を探すとなると相場は約35万円前後と高額になります。(2023年10月現在)
しかし少し前の仕様となると、当時の新品価格も今ほど高くなかったことや、 最新の仕様でないということで約25万円~30万円ほどとややお手頃な価格で販売されています。
ご自身のお財布事情と年代による仕様を照らし合わせながら、 自分にはこれだ!と思える1本を根気強く探すのがよいかと存じます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

自分は色々と試した結果、初めてのアコギがD-28になりましたが、 やはりスタンダードと言われるだけあって素晴らしいギターだとつくづく思います。
音がとても気持ちいいので、仕事から帰って疲れた状態でもつい弾いてしまいます。

余談ですが、昔、ネットで見つけた宅配買取業者にベースを売ったことがありましたが、 (Qsicの方が買取額が高いのはわかってましたが、ハードケースを運ぶのが嫌だったので)
その時来た業者のおじさんに、 アコギは絶対Martinやで!Martinならいつでも高価買取できるからな!絶対Martin買いや! と口を酸っぱく何回も言われました。(笑)
でもその時おじさんから言われたことが今ではすごくわかります。
あらゆる面で買って損のないギターであると感じております。

まずD-28や000-28あたりのスタンダードなものを買って、 それを基準にしてここが足りないと感じた時に
違うテイストのものを買い足すのが 自分の好きな音を探すうえで一番の近道ではないかと存じます。

ただ先にお伝えしておきたいのは、Martinは高いものでもバインディングがよく剥がれますので、
そういったトラブルが気になる方は国産のほうがおすすめです。 (自分のD-28もバインディング修正痕があります)

それを踏まえても良いギターですので、ぜひ一度お試しいただければと存じます。

Qsicに在庫がある場合は店頭で弾き比べていただけますので、 ぜひスタッフにご相談くださいませ!

それでは今回はこの辺で終わりになります。 最後まで読んでいただきありがとうございました!

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