EpiphoneはDOT?ES-335? 

ES-335といえばギブソンの定番モデルとしてだけでなく、セミアコの代名詞として世界中で愛されており、各社でもセミアコはES-335のスタイルで製作されることがほとんどです。ギブソンの傘下であるエピフォンでも廉価版が発売されていますが、こちらは長らく”DOT”という名前で親しまれてきました。ES-335とDOTに何か違いはあるのでしょうか?

簡単に歴史から説明すると、エピフォンは元々ギブソンと肩を並べるほど業界で名を馳せるブランドでしたが、第2次世界大戦の終戦前後辺りから、社内での労働争議や職人がいなくなるなど、様々な問題が発生し、存続が危ぶまれる事態に陥ります。

良質なピックギター/フルアコモデルを生産していたエピフォンとジャズプレイヤーは当時親密な関係にあり、著名なジャズプレイヤーであったレス・ポール氏も例に漏れず、エピフォンの工房やパーツを借りて、当時構想していたソリッドギターの試作機を作っていたほどとのこと。そのレス・ポール氏が存続の危機を聞きつけ、当時の社長であるテッド・マッカーティー氏に声をかけ、傘下として迎え入れたと言われています。

以来ESシリーズと並行して、ギブソンのセカンドブランドとしてCASINO、RIVIERAといったモデルを展開し、販売拡大を進めていきましたが、その中の1つにDOTがあります。DOTはその名の通り、指板のドットインレイが由来となりますが、ES-335は登場した1950年代後半からブロックインレイに変わる1960年代前半までのモデルの人気が高く、それが元にされています。

なので、基本的にES-335とスタイルは大きく変わらず、名称を変えて展開されていたのが”DOT”となりますが(ギブソンジャパン期のモデルはES-335として展開されているなど例外はあります)、2020年になってエピフォンからORIGINAL ES COLLECTIONSが発表され、DOTはInspired By ES-335へ名称が変更されました。ヘッドのクラウンインレイや指板のバインディングなど、より本家に近づけた仕様となっています。

製造時期によってDOTかES-335の区別をするという点では買取査定をする者としてやや大変ですが、ようやく正式にES-335を名乗れるようになったのだと思うと感慨深いですね。

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