今回はディレイに関するお話。現在はBOSS DDシリーズを代表とするデジタルディレイが主流とはなりますが、もう1つ大事なのがアナログディレイの存在です。
ディレイエフェクトの始まりは1950年代と言われており、テープを使ったテープエコーなどが開発され、1960年代になってBBD素子を使ったアナログディレイが誕生します。近年のデジタルディレイと比べるとディレイタイムは基本的に短く、残響音が劣化していくという点があり、その改善を試みたのがデジタルディレイという歴史ではありますが、独特のイナタさや柔らかいトーンで現在も根強い人気を誇ります。
そしてアナログディレイといえばやはり”発振”ですよね!あのぎょわ~となる感じがたまらな・・・え?発振ってなんですかって?いや、フィードバックを上げたらぎゅんぎゅんってなるじゃ・・・え?なんでアナログディレイはそんなことができるのかって?・・・・・・。
いざ説明しろと言われたら「そういえば・・・」となりませんか?何を今更という方も多いかとは思いますが、その独特の”発振”についてかんたんにお話します。
アナログディレイの仕組み
上述した通りアナログディレイはBBD素子(別名バケツリレー素子)が使われています。デジタルディレイは入力された音が内部のでデジタル回路によってそのままデータとしてコピーされるので劣化せず出力できるのに対し、アナログディレイはこの素子を通すことで音を遅延させ、また次の素子に渡すというまさにバケツリレーな仕組みになります。
この素子は数百から数千で構成されており、何度もリレーを繰り返す内にディレイ音が劣化していった結果、アナログディレイ特有のトーンが生まれます。
デジタルディレイであればフィードバックを多くしてもコピーされた音がループされるだけですが、アナログディレイだと段々と劣化していく音をループすることになります。フィードバックを最大まで上げることで原型が崩れた劣化したサウンドを無限ループすることになるので、それがあの強烈な”発振”の効果となるんです。
取り扱いにはご注意を
ざっくりとアナログディレイと発振についてお話しましたが、これでおおまかな説明はできるはず・・・。もし他の人に尋ねられたらご参考いただければ幸いです。
ちなみに発振はくれぐれも微調整しながらお試しを。始めからディレイとフィードバックをフルテン、アンプも爆音のような状態で急に音出しするとバンドが全滅しかねませんのでご注意ください!
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