【豆知識】初心者必見!管楽器の選び方#5 トロンボーン編① 

バリバリとした低音も伸びやかな高音も魅力的で、クラシックからジャズやポップスなど幅広く活躍するトロンボーン。
自分だけの楽器が欲しいけどどうやって選べば…とお困りの方もいるかと思います。
今回は、ベル材質・仕上げ・製法にスポットを当てて選び方をご紹介していきます!

ベル材質

トロンボーンの多くは銅と亜鉛の合金である真鍮でできています。同じ真鍮でも銅と亜鉛の割合によって、音色が異なります。銅の割合が高いほど柔らかく、赤みがかった見た目になります。
初めてトロンボーンを持つならイエローブラスの管体がおすすめです。
下に表記している含有率はメーカーによって異なります。

ベル材質

・イエローブラス(画像右):およそ銅70%、亜鉛30%の割合の真鍮。明るくメリハリのある音色で高い遠達性が特徴です。吹奏感が比較的軽めなので、エントリーモデルを含む多くのトロンボーンに用いられます。
・ゴールドブラス(画像中央):およそ銅85%、亜鉛15%の割合の真鍮。豊かな響きで、繊細さとパワフルさを併せ持つ幅広い音色です。

・レッドブラス(画像左):およそ銅90%、亜鉛10%の割合の真鍮。柔らかく、落ち着いた音色で、倍音を多く含みます。これを「ローズブラス」という名前で呼ぶ方もいれば、いくつかのメーカーは「レッドブラス」と「ローズブラス」を使い分けていたりと定義は少し曖昧です。ベルの色が違って見えるので含有率が違うようにも思えるのですが…すくなくともはっきりとお伝えできるのは、ゴールドブラスよりも銅を多く含み、柔らかい金属であるということです。

・スターリングシルバー:銀の含有量が92.5%の合金で、ここまでご紹介した〇〇ブラスとは異なり、名前の通り銀色のベルです。
パワフルで豊かな響きとバリバリ吹き込んでも割れにくいキャパシティが魅力なので、上級者の方におすすめです。Bachからはより純銀に近い銀99.9%のスターリングプラスベル(Sterling plus Bell)を採用しているモデルも販売されています(イエローブラスのものと比べると15万円近く高価ですが…)。
キング?

他にもコパー(カッパー、コッパー)などと呼ばれる青銅のような材質のもの(メーカーによって比重や含有成分は異なります)や、ベリリウムと呼ばれる管体もございますが、個体数が少なく初心者さんが候補に入れることは少ないように思いますのでここでは割愛します。

仕上げ

多くのトロンボーンの表面は、生の真鍮の上にラッカーでの塗装やメッキを施して、表面を保護しています(中にはアンラッカー、ノーラッカー(ラッカーなし)やロウブラス(生の真鍮)と呼ばれるそのままの金属の性質を活かしている楽器もありますが)。
管体そのものの表面にどんな塗装・処理が施されているかによっても、音色に違いがでてきます。

・ラッカー:反応がよくやや暗めの音色。管体そのものの色の見た目のクリアラッカーや金色のゴールドラッカー、トロンボーンに使われることは少ないブラックラッカーなどいくつか種類があります。

・メッキ
-金メッキ:柔らかい音色。抵抗感があり、その分パワフルな響きです。
-銀メッキ:なめらかでしっとりと落ち着いた音色。ほどよい抵抗感があります。
-ニッケルメッキ:安価な楽器に用いられることもある。ギラッとした黒っぽい見た目。やや硬く鋭い音色をしています。

製法

・1枚取り:イチョウ型の一枚の金属板を丸く成形して端と端をつなぎ合わせて作ります。高い技術を要し、コストがかかります。
振動の途中にベルの繋ぎ目がないため、響きがしっかりとしています。

・2枚取り:ベルの大きく広がった部分と直線に近い部分の2つの金属をつなぎ合わせて作ります。1枚取りに比べて簡単に製造できるため、エントリーモデルに多く採用されています。程よい抵抗感と明るい音色が特徴です。

ベル製法

さいごに

これまではトランペットとほとんど同じ内容でお伝えしてきました。
これ以降はトロンボーンならではの構造に焦点をあてて選び方をご紹介したかったのですが、長くなってしまうのでまた次回お伝えします!

管楽器は初めてだけど、実は肺活量があってそれなりに抵抗感のある楽器が合う…といったパターンもあり、管楽器の経験の有無だけでは一概に1本に決めきれないのが楽器選びの難しいところです。

今回ご紹介した内容をヒントに、まずは1本試奏していただけると大変嬉しいです!

「他にもこんなことが知りたい!」などご意見、ご質問がございましたら、お気軽にお寄せください。

当店では、販売だけでなく、買取もおこなっております。
はじめての一本に、上位機種へのステップアップに、ぜひご利用ください!

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