こんなご時世にありがたいことですが、毎日色々な商品が入荷してまいります。
当店は中古楽器店ですので、動作確認をおこないお値段を最終決定します。
日々色々な検品をおこなうわけですが、依然として減らない事がございます。
それは、電池放置・・・。
このブログでも何度も触れている事柄(「放置しているエフェクターに注意!電池の液漏れの恐怖」など)でもあります。
インターネットを探せば本当にこの手の話はよく書かれているのですが、具体的な被害状況について書かれている事は少ないなぁと感じました。
だから、減らないのかもしれない!と思い立ったのと、近年まれに見るひどい個体があったので・・・これは記事にしないといけないぞ!となったわけでございます。
皆さん御存知の通り、電池を放置し続けると液漏れが起こります。
「まぁ、それぐらいであれば、汚れている部分を掃除すればそれで使えるでしょ」
と思われる方もいらっしゃるのでしょうか。
そのちょっと掃除をすれば、という段階で済んでいるのはまだまだ軽症なのです。
軽症の状態で気付けず、更に放置をしてしまうと、腐食が進んでいくのでございます。
電池から漏れ出た電解液は、電池パックの中で金属部分と固着しそのまま錆びていきます。
金属がサビていくということは、強度がみるみる下がっていきます。
・電池を止めているスプリング→折れます
・電池を止めている爪→折れます
・電池スナップ→朽ちた電池のパーツが固着して取れなくなるorスナップがちぎれます
この中の症状で一番軽度なのは「スナップが切れる」でしょうか。
スナップなら比較的パーツの手配がしやすく、修理が簡単だからです。
しかし、スプリングや爪が折れるとそこだけを交換することは、ほとんどの場合で不可能です。
電池パックが内蔵されているようなものの場合、ほとんどのケースで修理はできません。
メーカーに頼めばあるいは・・・というところですが、筐体本体ごと変えないといけないとなりますと費用は莫大になるでしょうか。
アクティブタイプのギターなどのボディに付いている電池パックの場合は、電池パックごとの交換となることも少なくありません。
膨張していたり、固着が進んでいると、最悪のケース電池を外すことすらできない状況となります。
電池パックごと新しいものに入れ替え、木部の加工が必要となることすらあるかもしれません。
こうなってくると、
「パーツが見つかればいいけど」
「サイズが合えばいいけど」
「加工するスペースが空いてればいいけど」
という事になるのです。
電池を外し忘れただけなのに・・・・
まさにたったそれだけのために、数万円した機材が使えなくなる。
修理ができなくなる。
というのは歯痒い想いだと思います。
冒頭で触れた「近年まれに見るひどい個体」は、電池パック内が液漏れで電池と本体が固着しており、何とか電池を取り出したのですが、電池の後ろに折れたスプリングがついているような状況でした。電池とスプリングが固着、しかも根っこから取れるんじゃなくて、腐食で弱ってスプリングの途中から折れるっていうのはなかなかの状況です。(画像撮り忘れました)
長期間触らないのであれば電池は外しましょう!
今思い出したものがあれば、すぐに確認を!
お気軽にコメントしてください。